第八十六話 票田その六
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「これからも」
「自白させたい時はだな」
「そうしていくさ、それとな」
正は自分の指輪を見た、見れば宝形は今は青く輝いている。久志はその青い輝きを見て仲間達に話した。
「去ったみたいだな」
「刺客はね」
「ああ、俺達に隙がないと見てか」
「そうだろうね」
「だったらいいな、俺としてもな」
「刺客はだね」
「いない方がいいさ」
剛に笑って話した。
「その方が面倒臭くないしな」
「刺客の相手もね」
「一々っていうかな」
それこそというのだ。
「面倒だからな」
「狙われてかわして」
「そんなのだからな」
だからだというのだ。
「本当にな」
「来ないに越したことはないね」
「ああ、帰ってくれたならな」
「また来るにしても」
「それでいいさ、戦わずに済むなら」
ここでこうも言った久志だった。
「本当にいいしな」
「戦わずして勝つだね」
「ああ」
笑みを浮かべてだ、久志はこうも言った。
「それが最善だしな」
「刺客もだね」
「狙われても実際に仕掛けられないならな」
「それでいいよね」
「この場合最善は最初から狙われないことにしろ」
それが第一だというのだ。
「それでもな」
「やっぱり狙われなかったら」
「本当にいいさ」
「それじゃあね」
「次の演説先に行くか」
「支持者はどんどん増えていってるし」
「選挙戦は有利だしな」
それでというのだ。
「このままな」
「選挙もしていって」
「票を集めていこうな」
「そうしようね」
「そうね、ただ相手も」
ここでだ、清音が久志に真剣な口調でこう話した。
「遅ればせながらも」
「縁説とか宣伝してくるか」
「そうしてくるかもね」
「そうだよな、今選挙戦俺が圧倒的だしな」
「だったら負けられないって焦って」
「それでだよな」
「相手もね」
言うまでもなく自分が当選する為にだ、政治家は少なくとも選挙が存在している国では当選しなければ何の意味もない。それが政治家の現実だ。
「やってくるでしょうね」
「そうかもな、けれどな」
「それでもね」
「こっちが焦ったらな」
「政治でも何でも」
それこそというのだ。
「焦ったらね」
「その時点でアウトだから」
「そう、だからね」
それ故にというのだ。
「ここはね」
「焦らずにか」
「そう、焦らずに」
そうしてというのだ。
「このまま堅実によ」
「選挙戦を戦っていくか」
「そうした方がいいわ」
「そうするな」
実際にとだ、久志も頷いて答えた。
そしてだ、その話をしてだった。久志は次の演説地でまた演説を行った。その演説はどういったものかというと。
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