第八十六話 票田その二
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「働いてもらう」
「その様にですね」
「政治を考えています」
「そちらの世界のことは知りませんが」
老貴族は久志そして彼の仲間達が外の世界から来ていることを知っていて話した、このことは彼等自身も話しているしこの島で有名にもなっていることだ。
「こちらの世界では比較的です」
「政治と宗教は最初からですね」
「分けられています」
「多くの宗教が力を持っているだけに」
「どれか一つの宗教に与すると」
それでというのだ。
「厄介なことになりますので」
「だからですね」
「はい、それはです」
「分けられていますか」
「そうなっていますが」
「それは私も承知しています、ですが」
「このことをですね」
「徹底させてです」
そのうえでとだ、久志は老貴族に答えて述べた。
「していこうと考えているのです」
「政治と宗教のより一層の分離ですね」
「それが出来る状況ですし。特にこの街は」
「官吏達もしっかりしているからですか」
「はい、整った仕組みになっています」
ローマの官僚機構についてもだ、久志は述べた。
「ですからローマとこの周辺を治めるにはです」
「問題はないですか」
「無論勢力を拡大するにつれてその仕組みを拡大し」
「整えてもいきますね」
「そうしますが既に整っていますので」
これもローマの財産の一つだ、この島で最大の都市だけあって官僚機構即ち統治システムもかなり整っているのだ。
久志もこのことを知っていてだ、そうして老貴族に話すのだ。
「ですから」
「この仕組みを活かして」
「政治と宗教もです」
「これまで以上に分けますか」
「そうします」
「成程、わかりました」
老貴族は久志の言葉をここまで聞いて頷いた、そのうえで自分のコーヒーを飲みつつ久志に対して言葉を返した。
「私はカトリックです」
「そのことは承知しています」
「ご承知のうえでお話をされましたか」
「左様です」
「それは何故ですか」
「貴方はカトリックですが」
それでもとだ、久志は老貴族に答えて述べた。
「ローマに古くからある家の方で」
「カトリックの信者でありつつ」
「ローマのことを心から考えておられるので」
「私にお話して下さいましたか」
「訪問して」
そしてというのだ。
「そうさせて頂きました」
「左様ですか、そしてですね」
「私はです」
久志はさらに言った。
「貴方の支持を得る」
「その為にここに来られた」
「左様です」
「そうですか。貴方の政策とお考えはわかりました」
老貴族は自分に対して確かな口調で話す久志に応えて述べた。
「よく」
「それは何よりです」
「はい、ですが」
「それでもですね」
「理想を実現するにはです」
それにはとだ、老貴族は久
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