149章 信也と竜太郎、サピエンス全史やホモ・デウスを語る
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年の夏にオープンした≪カフェ・ゆず≫は、現在、
充希と悠花のほかに、2人のスタッフがいるほどに繁盛している。
マンハッタンはバーボンウイスキーがベースのカクテルで、
バーボンと白ワインが原材料の甘いベルモットに、
薬草系のキリっとした香りの苦味のあるアンゴスチュラ・ビターズを加え、
チェリーを添えた可愛らしい女性にも歓ばれるカクテルだ。
カクテルの女王とも呼ばれる。
「しんちゃん、紅白は見ましたか?」と竜太郎が言った。
「見ましたよ。なかなか見ごたえあったですね。特に、椎名林檎ちゃんと宮本浩
次さんの『獣ゆく細道』には、胸がジーンときましたよ。林檎ちゃんはさすが魅
力満点で優雅でしたね。
エレファントカシマシの宮本さんも、さすがロッカーで、迫力の熱演でカッコよかったですし」
「林檎ちゃんはおれも好きだなぁ。いつまでも、すてきで、色っぽいしね。あははは。
おれは今回の紅白では、米津玄師(よねづ けんし)に注目してたんだよ。
米津さんは、しんちゃんより1つ年下になるのかな?」
「そうですね、おれが28歳、米津さんは27歳じゃないかな。今年はまた1つ年取るけれど」
「おれも今年は、37歳になるよ。しかし、いくら歳をとっても、
やっぱり子どものころの気持ちを忘れてはいけないんだろうね」
「『幸福論』を書いたアランは、『無心に遊びに夢中になる、
子どもほど美しく幸福な存在はないだろう』って、言ってますし、
ドイツの文豪のゲーテは、
『私たちは、子どもから生きることを学び、
子どもによって幸せになる』って言ってますよね、竜さん」
「『サピエンス全史』や『ホモ・デウス』の本で話題の、
イスラエルの歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリさんも、
人間が幸せかどうか?を最も大切な問題としているよね。
これからの未来は、生命を自在に操るバイオテクノロジーや、
人口知能(AI)で、人間の体や脳や心のあり方が、
想像がつかないほど大きく変わるだろうって言ってるし」
「おれも、NHKのクローズアップ現代でハラリさんの特集を見ましたよ、竜さん。
ハラリさんの考え方は、この資本主義体制や、
お金にしても会社や国家や法律や宗教や正義とかにしてもは、
実は全てフィクションであるって、言い切ってますよ。
つまり、人間が想像力によって作った物語や作り話のようなフィクションなのだと。
ネックス証券の松本大が、
『今の資本主義や貨幣経済に代わる新しい概念というもの、
みんなで抱えることができる共同のフィクション。
単なるフィクションではなく、共同で持てるフィクションを作る必要がある』
って言ってましたけど。そのフィクションって、子どもの心を忘れずに生きるこ
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