第二章
Prologue
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てゆく。
三人は先ずお茶を一口飲んでから本題に入った。
「ギルはここに来てあんたに会えば良い…と言ってたが?」
「あいつとは古くからの付き合いでな。あいつがここに寄越した人材は、皆優秀な者ばかりだからね。で、仕事の内容は聞いて来たのかい?」
「いや、危ねぇ仕事ってことしか聞いてねぇが…。」
そう言ってルーファスはマグナスタを見る。
彼は長身だが痩せていて、顔もどことなく蒼白く…何だか病弱な印象を受ける。体力仕事にはとても向かないが、そのために頭脳を使うこうした職に就いたのだと思われた。
宿の主であるギルクリフトとは正反対で、どうやって知り合ったのか気になる所ではあるが、今はそんなことを考えている間はないと、ルーファスは早速仕事内容について聞いた。
「さて、この月の終わり…と言っても明後日なのだが、この街の教会にマルクアーン殿がお見えになるのだ。その警護を頼みたいのだよ。」
「えっ…あの賢者が北の塔から出たのか!?」
ルーファスは思わず立ち上がってそう言い、ハッと座り直した。その後、眉を顰めて呟く様に言った。
「あの賢者は…。」
「そう…呪詛によって歳を取れない躰になったお方で、未だ呪いは解けていない。」
「ってか、わざわざ北に塔を作って籠もった筈じゃ…。」
この二人の話に、ヴィルベルトは疑問を感じた。
彼が効いた話によれば、マルクアーンについて北の塔に籠もったことは聞いていたが、呪詛とは…初耳だったのだ。どの文献にも塔に籠もって隠遁生活をしているとだけ記され、歳を取れない躰になったなど…。
「師匠…呪詛って何ですか?大賢者様にその様な話…。」
「そっか、お前は知らなくて当たり前だったな。マルクアーン殿が一切を伏せさせてるからな…。」
「どう言うことですか…?」
ヴィルベルトが不思議そうにそう問うと、ルーファスはその経緯を話し始めた。
時は大戦の末期、マルクアーンは四人の仲間と共に〈五人組〉と呼ばれる様になっていた。その頃に封じた大妖魔が、この呪詛の核を成していたのであった。
大妖魔が掛けた呪詛は、初めはマルクアーン自身に妖魔が集まり続ける…と言うものであったが、五人組はそれを利用して妖魔を屠り続けていた。
だが、大戦が終わって数年…マルクアーンは自身が歳を取っていないことに気付いたのである。
「恐らくだが…数え切れない程の妖魔を屠ってゆくうち、呪詛が変化した可能性があるって話しだが…。」
「でも…師匠。大賢者様はなぜ、塔に籠もられたのですか?呪詛は変化したのでは?」
「いや…変化と言うよりは、より強くなったと言った方が正しいな。」
「??????」
ルーファスの答えに、ヴィルベルトは首を傾げた。
確かに…単に変化したなら内容も変化するが、マルクアーンの場合、呪詛の上に呪詛を掛け
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