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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica29-B大隊の罠〜Nuisance〜
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†††Sideトリシュタン†††
思いがけず訪れたのはルシルさんとの数年ぶりのデート。最初は、ひとりで買い物に出掛けようとするルシルさんに付いて行きたかっただけだった。ルシルさんの実力は誰もが認めている。だから大隊の奇襲があっても拉致はされないと。でも不安が過ぎったこともあって、こうして一緒させてもらった。
――すまん! 度が過ぎたイタズラだった! 今日1日何でもするから許してくれ!――
ルシルさんからのちょっとセクハラに近いイタズラに怒っていると、そんな彼からの謝罪の言葉に私はチャンスだと思い、お願いとして午後はずっと私に付き合ってもらうことに。イリスやはやてはすでにキスを交わしていると聞く。私、完っ全に出遅れてしまっている。焦りはあるけれど、雰囲気も大事にしたいというジレンマ。今日はキスまで行かずとも楽しい時間を過ごせるように考えていたのに・・・。
「許せない・・・」
「トリシュ・・・?」
ルシルさんの運転する“マクティーラ”のサイドカーに乗る私は、後ろから迫り来る見知らぬ形状をしたビッグボーイという物を睨みつける。何で今日に限って、この時間に限って・・・。
「くそ。本格的に俺たちに標的を絞って始末しに来たか・・・! これまでは何かしらの事件へと介入した際に、俺たちは仮面持ちからついでみたく襲われていたが、こうも露骨に狙ってくるとはな!」
「・・・わざわざ転移させてからの
ビッグボーイ
(
アレ
)
ですからね。・・・あ!」
――イリス。もし今の会議が大隊に洩れていた場合、連中はどのような手段に出るでしょう?――
――大隊は・・・というより教会は、わたし達の反逆を事前に止めようとするだろうし、何かしらの手段で分散させての各個撃破・・・ってところかな〜――
頭を激しく殴られたかのような衝撃が襲ってきた。大隊の母体が聖王教会だという仮定を前提にしての話。生まれる以前からシュテルンベルク家がお世話になっていた聖王教会。本音を言えば信じたくなかった、信じられなかった。ですが今の状況を鑑みれば、やはり仮定は現実のものだったということに・・・。
「どうします?・・・なんて聞くまでもないですね」
「ああ! ボコボコに破壊して、大手を振って帰る!」
「ですね!」
先ほどまでのムカムカとしていた胸の内が、このような状況なのに少しだけど治まった。ルシルさんと2人きりでの共闘。こういうデートの仕方もまた私たちらしいといえばらしい。私は「ふふ♪」と思わず笑ってしまった。
「トリシュ・・・?」
「あ、いいえ。なんでもないです。ルシルさん、私が迎撃するので安全運転お願いします!」
廃れた地下ということもあって地面の舗装は酷い所為で車体が揺れ、さらにビッグボーイのライトが逆光となって先
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