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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica29-B大隊の罠〜Nuisance〜
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っている可能性がある。だから一刻も早く魔法を解除してもらわないと。
「このままだと・・・ジリ貧だ。多少の無理は・・・しないとな・・・!」
ルシルさんから魔力が放出される。私が「ダメ!」と制止しても聞いてはくれず。こういう時ににアイリが居てくれたら・・・。あの子がユニゾンしていれば、ルシルさんの記憶消失のリスクが軽減されるのに・・・。
「トリシュ。・・・これより、魔術を発動して・・・ビッグボーイを・・破壊する。・・・魔力供給、頼めるか・・・?」
それはつまり、シュテルンベルク家の長女にのみ受け継がれる固有スキル、クス・デア・ヒルフェによる魔力供給。私にしか出来ない助け。崩落を免れたハイウェイへと“マクティーラ”が着地すると同時、ルシルさんはウイングロードを解除してヘルメットを脱ぎ捨てた。
「はぁはぁはぁ・・・。行くぞ、トリシュ・・・!」
「それしかないようですね。承りました!」
私もヘルメットを脱ぎ捨てる。方法はそれしか残されていないとはいえ、本当はイヤだ。私も魔術を使えたら良かったのに・・・。ルシルさんに覆い被さってハンドルを握ったままの体勢でハイウェイを走り、複数のビルの瓦礫に下敷きになっていたビッグボーイがこちらへ向かって走り出した。装甲車からのハイウェイの支柱や道路に対する砲撃も再開されて、ハイウェイの崩落が再び始まった。
「
魔力炉
(
システム
)
を昇華。魔法を魔術へ・・・」
ルシルさんがボソボソと何かを呟くと、ルシルさんの雰囲気がガラリと変わった気がした。そして放出される魔力を感じ、「魔術に変わった・・・!」ことが判った。“マクティーラ”が通り過ぎて行った直後に道路が崩れていく中・・・
「其は大地を穿ち、遥かなる天上に絶望の天蓋を掲げる破滅の巨人」
ルシルさんが呪文を詠唱するも、「何も起きない・・・?」ことで私は首を傾げた。と思えばハイウェイの下、つまり地表のあちこちから魔力が発生しているのが判った。そして、それは起きた。どれ程あるだろうか。直径にして50m、厚さは5mほどの、薄っすらとサファイアブルーの魔力を纏った岩盤が9つ、ハイウェイの周囲に何の支えなく浮いていた。
(ううん、違う。岩石で出来た数本の鎖が、岩盤の裏から支えてる・・・!)
あんな細い鎖がたったの数本で、何千・何万トンとある岩盤を浮かせているのが信じられない。魔法だから、魔術だから、という理由なんだろうけど・・・。ビッグボーイや装甲車の砲撃が一斉に岩盤に移ったけれど、岩盤や鎖はビクともしない。
(魔術に干渉できるのは魔術だけ。その法則が確実である以上、ただのエネルギー攻撃に出来ることは無い!)
9つの岩盤を支えている複数の鎖が揺れて、岩盤すべてをビッグボーイの直上にまで移動させた。ついにはレールガ
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