暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica29-B大隊の罠〜Nuisance〜
[7/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「廃棄都市区画だからと言ってあれだけの破壊をしたらまずそうだが、まぁこちらは命が懸かっているんだ。大目に見てもらおう」

粉塵と飛来する瓦礫から完全に逃れられた“マクティーラ”が廃屋を左折すると、その道路の先には数台の装甲車が横列で並んでおり、砲門を一斉にこちらへと向けた。ルシルさんは“マクティーラ”をドリフトさせて、装甲車の列の手前にある右への道路へと曲がった。背後から砲撃の発射音。でも当てる気がないのか、“マクティーラ”は回避行動に入らなくても着弾しない。

「誘い込まれたな・・・」

「え・・・?」

砲撃は脇道への進入口に着弾していて、“マクティーラ”が曲がれないようにしているみたい。そんな誘導まがいの結末は、「ハイウェイ・・・!」の廃棄されたゲート。後ろを見れば装甲車が追って来ていて、Uターンすることも出来ずにそのままゲートを突破して、そのままハイウェイに上がった。

「装甲車は・・・!?」

「付いて来ていないみたいだが・・・。あ、ダメだ!」

ルシルさんがハッとした直後に連続の砲撃音。砲撃がハイウェイを支える柱を撃ち抜いた影響で、ハイウェイ全体が揺れ始める。ハイウェイの舗装がビキビキ、バキバキと音を出してひび割れては崩落し始めた。私は飛行魔法使えないけれど、ルシルさんは飛べるしウイングロードという魔法もある。だけどこのAMFの中ではさすがに・・・。

「ウイングロード・・・!」

前方の道路が完全に崩落したことで、ルシルさんが魔力の道を展開してくれた。でも「ぐぅ・・・!」ルシルさんが右手で心臓付近を鷲掴んで苦しみだした。

「まさか、記憶消失現象が・・・! ルシルさん!」

魔神オーディンもそうだったと聞く、セインテスト家に付き纏う魔力運用過多による記憶障害。ルシルさんもそうで、こんな強力なAMFの中での魔法発動なんて、記憶消失が起きてしまってもおかしくない。

「早く魔法を解除してください!」

「ダメ・・・だ! 今は空中を走ってる・・・! ここで解除すると地面に・・・叩きつけ・・・ぅぐ・・・!」

グラリと“マクティーラ”が蛇行してウイングロードから落ちそうになるのを、私がルシルさんに覆い被さるようにしてハンドルを握ることで回避。バイクの運転の仕方は、ルシルさんが“マクティーラ”をメンテナンスしている際に、こっそり逢いに言った時に伺った。

(えっと、MTからATに切り替えるスイッチを押して・・・!)

アクセル側の付け根にあるスイッチを押して、ハンドル操作だけで“マクティーラ”を走らせるようにする。

「トリシュ・・・?」

「どうすればいいか、指示をください! 運転は私が手伝います!」

ウイングロードは未だ解除されず、現在進行形でルシルさんの記憶消失が起こ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ