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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica29-B大隊の罠〜Nuisance〜
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ーで形作られたレールを作り出し続けながら走行していたことに。ビッグボーイは私たちを追い抜くと、ジェットコースターのループコースのように急上昇して、各車両の砲門をこちらへと向けてきた。

「少し揺れるぞ!」

舗装がまた最悪レベルの道路なため、「はいっ!」シートに座り直す。ガタガタと大きく揺れている中、ビッグボーイより砲撃が連続で放たれる。荒れ道を右に左に動いて砲撃を躱すけれど、着弾時の影響で煽られてしまう。それでも倒れないのは“マクティーラ”自身の転倒防止機能とルシルさんの運転技術があるから。

「あまり調子に乗らないでください・・・! ルシルさん! どこでもいいので複数のビルの近くを通ってください! もちろんビッグボーイを引き連れた状態で、です!」

「・・・っ! ああ、なるほど。判った!」

“マクティーラ”は廃棄建造物を盾にすることで、ビッグボーイの砲撃に対する回避運動の回数を減らす。砲撃によっては解されて崩落する瓦礫は、砲撃の速度に比べればまだ余裕で躱すことが出来る。

「このAMFの中、装甲車との挟撃は勘弁してほしいよな・・・!」

「ルシルさん、ソレ、フラグというものでは・・・?」

建物を右折した先、そこに装甲車は・・・いなかった。ホッとしたのも束の間、ビッグボーイが再び私たちを轢き殺そうと高度を下げてきた。でも「トリシュ! 50m先、2射線道路の両側にビルが4棟ずつ並んでいる!」とルシルさんからの報告。

「ありがとうございます! イゾルデ、カートリッジロード!」

“イゾルデ”のカートリッジシステムを起動。“イゾルデ”は双剣の柄尻を連結させて弓とするデバイス。柄――持ち手と剣身の2つの繋ぎ目がスライドすると給弾口が現れ、そしてガシャンと閉じてロード完了。異常なまでの強力なAMFの中で、無理やり魔法を発動させる。右手の指の間に12本の魔力矢を作り出して、展開した魔力弦に構えつつ“イゾルデ”を水平にする。

「大盤振る舞いですよ、受け取りなさい!」

――天に矛向けし幽玄なる熾天翼――

前方に12枚の環状魔法陣を展開して、指を開けて魔力矢を放つ。それぞれの矢は環状魔法陣を抜けるとさらに速度を上げて、道路の両側に建つビルの半ば辺りに着弾。木を伐採する際、倒れる側に切れ込みを入れるのと同じように、魔力爆発で大きく抉らせてみせた。私の策は上手くいったようで、全てのビルが道路側へとゆっくりと倒れ始め、轟音を立ててビッグボーイの上へと崩落した。ビッグボーイはこれまで以上の瓦礫に飲み込まれて、その姿を完全に消した。

「えっと、やり過ぎたでしょうか・・・?」

ブワッとこちらへ迫ってくる粉塵に小さな瓦礫。ルシルさんはそれをサイドミラーで確認しながら、“マクティーラ”を蛇行させて回避し続ける。

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