第四十八話 合格してその二十三
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「これからね」
「本格的な参拝ですね」
「だって進路が決まったのよ」
それだけ大事なことだからです、私自身のことでありますが。
「だからね」
「一周されるんですか」
「ええ、そうさせてもらうつもりよ」
「じゃあ僕も」
「いいの?」
「いいですよ、その後で回廊拭かせてもらうつもりです」
にこりと笑って言ってきました。
「今日は」
「今日も、よね」
このことは少し驚きました、何か阿波野君はいつも回廊を拭かせてもらったりおぢばのあちこちを歩いている気がします。
「回廊は」
「そういえばそうですね」
「ほら、やっぱり」
「暇ですとついつい」
「そういうことをさせてもらってるの」
「そうなんですよ」
「そのことは凄いわ」
いいどころではなかったです、正直言って。
「私もびっくりよ」
「そうですか」
「だってそこまでする人ってね」
それこそ天理高校の子でも他のおみちの学校の子でもです。
「そうそういないと思うから」
「まあ僕は暇ですからね」
「部活してないのよね」
「ようぼくコースに入ってますけれどね」
「それでもよ、しょっちゅう回廊ひのきしんさせてもらってるし」
しかもです。
「お墓地にお参りもしょっちゅうよね」
「一週間に一回は絶対ですね」
「それは凄いわ」
「他にもおぢばのあちこち歩いてます」
そうしたこともしているというのです。
「気が向くままに」
「そうなのね、それがね」
「そうそうですか」
「いないわよ、そうした子。そうしたところをいかしていけば」
本当にです。
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