暁 〜小説投稿サイト〜
妖精のサイヤ人
第一話:茜色の少年
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扱われていないし、自信を持っても悪くないだろう…うん。
今は子供になっているからこそできるコミュニケーション、身体が大人になる頃にはこのやり方ができないので、今の内にするに限る。

…え?大人としての恥?…へっ、身体だけじゃなく精神も少し幼くなっているんだ。だからセーフ(遠目)
っと、遊んでいるオレたちに近づいてくる気配…もうこんな時間か。

「ネロお兄ちゃーん!みんなー!もう暗くなるからお家に帰ろー!」

遊んでいた子供たちやオレとも違う声色、元気溢れている知っている声。

「エルザおねえちゃん!」

「もうこんな時間?」

「わっ!パパとママに怒られるぞ!カグラ帰ろう!」

「あ、まって!」
「バイバーイ!また明日あそぼーね!」
「バイバーイ!」

夢中に遊んでいた数人の子供たちは時刻を確認して親に怒られる前に家路へと向かった。
オレは教会への家路に向かう数人の子供たち、そして呼びに来てくれたエルザの隣へと歩き一緒に足を進める。

「教えてくれてありがとうな、エルザ」

「どういたしまして!ネロお兄ちゃん!」

笑顔でそう返す彼女は天使なんじゃないのだろうか、と脳内で馬鹿なことを考えながら一緒に教会へと帰る子供たちと手を繋ぎながら歩いていく。

一緒に家路に向かっているエルザや子供たちは教会に拾われた孤児であり、オレを助けてくれた教会の人たちと一緒に生活しているのだ。
ちなみにオレと同い年か年上の孤児が居ないのは一人立ちしたり旅に出たりと一人一人自立しているから10歳以上の子供は居ないそうだ。
…やだ、この世界の子供たちって逞しくない?てかこの国の法は一体どうなってるのか気になるのだが…いやまぁ、前世の故郷である日本とは違うだろうと高をくくってたけどさ…。
てか、ちゃんと学校があるのに入らないで働く子供って…この世界の義務教育ってどうなっているのか調べてみるか。

「ネロお兄ちゃん、着いたよ?また考え事?」

「ん?ああ、悪い。気になっていることがあってなぁ…んじゃ入るか」

エルザに声をかけれて気づく。ってまぁそんなに場所は離れていないから早いのは当然か。

教会に着きそのまま教会の礼堂に入るとオレが初めて知り合ったシスターと神父が箒を持って掃除していた。

「あら、おかえりなさい!」

「ただいまー!」
「はらへったぁー…今日のご飯はなに?」

「はは、着いてからのお楽しみですよ。ほら、手を洗ってから食堂に来なさい」

「「「はーい!」」」

神父さんの言う通りに子供たちは洗面台へと元気よく走っていく。
さっきまであんなに遊んでたのに全然疲れの様子が見えない、これが若さか…いやオレも
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