第一話:茜色の少年
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族なのかと聞くよりも、単純に聞かなければならない――少年の名前を。
「あ、あの…」
「ん?」
エルザは茜色の少年に問いかける、緊張しながらもしっかりと聞こえる声。
「私の名前はエルザ…!お兄ちゃんの名前は…?」
「…あ、そうか。名乗っていなかったな…」
食べ物でいっぱいだった、と頭を擦りながら茜色の少年にシスターは苦笑いを浮かびながらこれから仲良くなるであろう髪の色が似ている二人の子供たちを見守るように見つめる。
少年は頭を擦り、そして自信の掌を見つめる。
一呼吸を置き、エルザの目へと向き直る。
「――オレの名前はネロ・ハバード…ただの流浪のサイヤ人だよ」
○●○●○●
SIDE:ネロ・ハバード
―――X771年、ローズマリー村の教会。
村の隅っこに建てられている教会の庭にてオレことネロ・ハバードは、自分よりも年下であろう子供たちと遊んでいた。
具体的に何をして遊んでいるといえば―――
「オラァッ!逃げられるとでも思っているのかアァン!?大人しく捕まりやがれぇいッ!!」
「きゃーっ、逃げろ逃げろー!」
「ネロ兄ちゃんに捕まったら食べられちゃうよー!」
「いや、食べねえよ!?そんなヘヴィなことしないからねオレ!?」
遊びの定番ともいえる鬼ごっこです。
前世で体力溢れた時代を持っていた子供の頃のオレでもやっていた遊戯。
遊び方はシンプルに鬼の役を持つ子供がそうでない子供たちを追いかけ回し、逃走した子供たちの内の一人に触れればその役は触れられた子供に変わる遊び。
それをみんなが飽きるまで続いたり、限られた時間まで遊んだりもできる。
おそらく前世やこの世界も含めて未来永劫続く遊戯文化史の一つだと思われる遊びと思う。
複雑なことを考える必要もなく、ただターゲットした相手を追いかけ回してタッチしたら自分も逃げるという簡単な遊びだからか、やはり流行る。
だが、走るのに遅い人にとっては毒でもあるのでうまく立ち回らなければ自分がタッチされ、追いかけようにも追いつけれなくて飽きてしまいやすいという欠点がある。
だから、年上であり、中身も大人である自分が頃合いを見て鬼を変わってあげてまだ鬼になってない子を捕まえてを繰り返すことで保てたりすることによってなんとか一緒に遊んでいる子供たちも飽きずに楽しませる役目を担っている。
ここに来て数日、この村にも馴染めてきたことにより、教会の子供たちだけじゃなく村の子供も含めて遊べているので子供たちの親や保護者からして村人じゃないオレは好印象、のはずだ。
…一応目線に邪気とか感じないし、きっと受け入れてくれているはずだ。除け者として
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