第一話:茜色の少年
[1/8]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
喜んでくれよ、キミが転生する世界は”ドラゴンボール”に決定だ。
特典がサイヤ人だからね、それならドラゴンボールで転生したほうがキミも嬉しいだろう?
お礼はやめてくれよ、私はキミにひどいことしたのに変わりないから。
――――それにキミも解るだろう?『人生というものは苦難がつきもの』。いずれにせよキミを安楽させれないだろうから、これからもキミは苦しむことがあるだろう―――
★★★★★★★
等しく感じていなかった温もり、普段自分が上着を毛布代わりに着て寝る時とは違い、やっと硬貨が溜まったときに宿で得られる安心感を齎してくれる安眠アイテムとも言える品物だ。
だから少年が目を覚ました時、何故自分がこのベッドで寝ているのか疑問に思った。
「…確かオレ、森に居たんじゃ…」
寝惚けていた頭を無理矢理に覚醒させて、自分がここまでに至る経緯を思い出す。
(確か…森で迷子になって、それでなんとか出ようとして何日か歩いていったら保存食が尽きちゃって…んで空腹で倒れたんだったか…?)
空腹というところまで思い出していると自分のお腹からぐぅ〜鳴り、鳴ったお腹を抑えて少年は少し苦しそう顔を歪ませる。
「ちくしょう…森から動物がいるの当たり前なはずなのになんで居なかったんだ…?」
狩って食おうと思っていたのに…野生じみた発言を零して周りを見渡す。
どこから見ても今まで宿でよく見てきた普通の木材で作られた部屋。
その部屋から窓から外の様子が見えており、少年はそこに視線を向けた。 そして数分しない内に部屋の中から扉が開く音が響き、少年は窓から扉へと視線を変える。
「あっ…」
その声は先程彼が出した声より高く、幼い――――少年も幼いが――――子供の声が少年の耳に届いた。
そしてその発生音であろう声の持ち主に視線を向けた少年に、自分の茜色の髪と似た色を持つ緋色の髪をした少女が扉の取っ手を片方の手で掴み、もう片方の手にはタオルを持ってこちらを凝視していた。
「…えっと、おはよう?」
「あ、うん…?おはよう…?」
互いに首を傾げながら朝の挨拶をする似た髪の色をした少年と少女。
予想していなかった展開に少女が思考放棄している間、少女の後からもう一人の影が現れる。
その場にいた二人の少年少女より高い背を持つシスター服を身に包む女性が立っており、少年がベッドから身を起こしているのを見て嬉しそうな声をして話しかける。
「まぁ…起きたのね!よかったわ…。この子があなたを見つけたときに気絶していたから心配していたのよ」
そう言って少女の緋色の髪の上に手を置いて優しく撫でるシスター。
一方少年は「やっぱりか…」と小さく呟
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ