105部分:第十話 襲撃の後でその四
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第十話 襲撃の後でその四
「やっぱりね」
「救いが」
「もう家族の人達も四人を見捨ててるそうだよ」
「家族の人達も」
「彼は家族の人達の勤め先や学校にまで来て訴えてるからね」
葉月はこのことを知っていた。
「それで兄弟の人がいじめに遭ったり勤め先を首になってるそうだよ」
「そんなことまでしているのね」
「もう家庭でも孤立しているらしいから」
「じゃあ今は」
「そう、何かできるとしたらね」
「私しかいないの」
「そうなるんだけれど」
葉月は弥生を見た。しかし彼女は。
迷っている顔だった。目には拒絶の色もあった。それは容易に消えるものではなかった。
その顔と目を見てだ。葉月はまた言った。
「まだ無理みたいね」
「あの映像とか。そういうの見てきたから」
「許せないっていうんだね」
「ええ、まだ」
その通りだというのだった。
「だから」
「それはわかるよ。僕もだしね」
話は繰り返しになっていた。だが葉月はあえてそれをするのだった。
「けれど。やっぱり物ごとには限度があるよね」
「それはそうだけれど」
「じゃあもういいじゃない」
葉月は言った。
「四人共あのままいったら家族の人達も何もかも完全に壊されるよ」
「何もかもが」
「岩清水君は死んでも攻撃するって言ってるし」
葉月はこのことも聞いて知っていた。
「そういうのは幾ら何でも」
「私だってそこまでは」
「思わないよね」
「思えないわ」
これが弥生の答えだった。
「とても」
「だったら。もう」
「けれど」
それでもだというのだった。弥生の言葉にはまだ迷いがあった。
「もう少し考えさせて」
「考えるんだね」
「ええ」
そうするというのだった。
「もう少しだけね」
「そうしようか。それにしても」
葉月は歩き回りながら腕を組んでいた。そうして深く考える顔になってだ。こんなことを言ってみせたのである。
「椎葉さんは今の状況どう思ってるのかな」
「今の状況を?」
「そう。確かに四人共椎葉さんをいじめていたし」
「椎葉さんはその被害者で」
「けれど今は被害者は放っておかれてるよね」
皆岩清水の言葉に乗せられて四人への糾弾と攻撃に忙しい。神無のことはもう殆ど誰も忘れてしまっているのである。そうなっていた。
「もうね」
「そういえば誰も椎葉さんには声をかけないわ」
「いじめについてはね」
「そうなってるわね」
「ふと思ったんだ」
また話す葉月だった。
「それでなんだけれど」
「私椎葉さんとずっと一緒にいるけれど」
「このことに何か言ってる?」
「いいえ」
首を横に振っての返事だった。弥生も何時の間にか俯いている。
「このことは何も」
「そうなんだ」
「あまり覚
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