機動戦士ガンダム
2275話
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『うわあああああああっ!』
悲鳴を上げながら、カイの乗っているガンキャノンは爆散する。
これで俺の5連勝、か。
勝負がついたところで、俺はシミュレータから出る。
するとちょどそのタイミングでカイもシミュレータから出るが、その表情に浮かんでいるのは気落ちした様子だ。
まぁ、分からないではない。
最初の一戦は何が何だか分からないうちに遠距離からのビームライフルの射撃で撃破され、続いての戦いでも同様。
3戦目と4戦目では低反動砲を雨の如く降らし続け、それによって撃破扱い。
ならば今回はといった感じで挑んで来たのだが、結局は至近距離からビームライフルでコックピットを貫かれて撃破だ。
カイにしてみれば、それこそ全く良いところがないままに、何度となく撃破されたといったところだろう。
「強いな、お前。イザークだったか。やっぱり、実戦に出たから強いのか?」
不服そうな様子ではあったが、カイが俺にそう尋ねてくる。
一瞬どう答えるか迷ったが、そもそもの話、明らかに連邦軍の軍人ではない俺がMSを自由に扱っているのを見れば、俺がどこの人間かを予想するのは難しい話ではない。
ここで隠して、後でその事実が明らかになった時に面倒な騒動になるよりは、ここで大人しく答えておいた方がいいか。
「生憎だが、俺は元からMSの操縦が出来たからな」
「……ふーん」
俺の言葉に、先程とは違った納得したような表情を浮かべるカイ。
どうやら、今のは鎌を掛けたらしい。
いやまぁ、カイにしてみれば俺の存在を怪しいと思うのは当然だろうけど。
そもそもの話、連邦軍の軍人たるリュウですら、十分にMSを動かすような真似は出来ない。
だというのに、俺はガンキャノンを手足のように動かしていたのだから、その辺を気にしないという方がおかしい。
……そういう意味では、俺だけじゃなくてアムロだって同じような感じなのだが、アムロの場合は前々からカイとは知り合いだったらしいし、そこまで疑う必要はなかったという事だ。
「イザークがMSの動かし方を知ってたって事は、もしかしてお前さん、ジオン軍……いや、違うな。月の人間か?」
ちなみに、最近ではルナ・ジオンという事を示すのに、月という言い方をされる事が多い。
まぁ、そっちの方が短くて言いやすいのは間違いないし、実際に月面都市はルナ・ジオンが占領したので間違いでもない。
勿論それは日常の話だけで、正式な場所ではルナ・ジオンと表現するのだが。
「正解だ。ああ、勿論俺だけじゃなくて、お前がご執心のメリルも同様だぞ」
その言葉に、意表を突かれたような表情を浮かべるカイ。
どうやら、メリルに関しては考えが及んでいなかったらしい。
……女でもMSの操縦がある程度
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