機動戦士ガンダム
2273話
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メリルだけに頼る訳にはいかないってのは、リュウも分かってるだろ」
「……ああ」
俺とメリルがルナ・ジオンの人間である以上、月に行けば恐らく降りる事になる可能性が高い。
そうなれば、残った面々でホワイトベースのMSを運用していく必要があるのだ。
そんな中で俺とメリルの2人が両方ガンキャノンに乗っていた場合、次にガンキャノンに乗るパイロットが非常に困った事になりかねない。
MSの癖とか、運用上の注意とか、そういうのを他のパイロットから聞かず、自分で直接確認しなければならなくなる。
俺やメリルから聞くという方法もあるが、その辺は正直微妙なところだろう。
ともあれ、そんな訳で今回の一件を考えると、やはりガンキャノンにはホワイトベースに乗っている、俺達以外の者が乗る方がいい。
「それで、こうして格納庫まで来たけど、一体何をすればいいんだ? まさか、全員にMSの操縦の仕方を教えろとか、そんな事は言わないよな?」
ザクとかならともかく、残念ながら俺が乗った事のある連邦軍のMSはガンキャノンだけだ。
いやまぁ、ザクを解析して開発されたんだから、ある程度の共通性があるのは間違いないが……だからといって、俺もまだ1度しか乗ってないのに、それを教えろというのは、半ば不可能に近い。
「イザークに頼みたいのは、シミュレータだ。それで、この連中と戦って、見込みのありそうな奴を選んで欲しい」
「……おい、それを俺に任せるのか? そういうのは、それこそもっと偉い奴に任せた方がいいと思うんだが」
「正直なところ、俺もそう思う、だが、今回に限ってはそう簡単にいかない。知っての通り、本来ホワイトベースに乗るべき軍人は殆ど残っていないしな。それに、俺も一応MSの操縦訓練は受けていたが、あくまでもシミュレータだけだ。実戦をくぐり抜けたイザークやアムロとは比べものにならん」
「そう言えば、アムロは?」
俺が呼び出された以上、ここにアムロがいてもおかしくはないと思うんだが。
連邦軍のMSに乗っての実戦という事であれば、サイド7の中で戦った分だけ、アムロの方が数が多い。
……ちなみに、本当にちなみにの話だが、恐らく原作ではあのサイド7での戦いが史上初のMS同士の戦いという事で記録されていたんだろう。
もっとも、この世界ではルナ・ジオン軍が普通にMSを使ってジオン軍と戦っているから、史上初のMS同士の戦いは既に終わっているのだが。
「アムロも呼んだんだが、疲れて眠ってるらしくてな。……そう遠くないうちに、またジオン軍と戦う事になる可能性が高い以上、無理に起こすのもどうかと思って呼ばなかった」
「……アムロは完全に素人だしな」
それも、運動とかをして身体を鍛えていた訳でもなく、機械いじりが好きなインドア派だ。
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