機動戦士ガンダム
2272話
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くれて悪いな。後はこっちで食べるから、もういいぞ。そっちの子供達も退屈しているみたいだし」
「あ、その……すいません。ただ、ちょっとお礼を言いたくて」
「……お礼?」
「はい。コロニーで私や両親を助けてくれたじゃないですか」
「……ああ、地割れの時」
正確には地割れではないのだが、取りあえずそっちの方が分かりやすいのは間違いない。
あの時、俺は空を飛びながら半ば強引な手段を使ってフラウ達を助けた。
そのおかげで、恐らく俺の正体がブライト達に予想されたのだろうが……まぁ、フラウ達を助けなくても、恐らくアムロからその辺りの情報が伝わっていた可能性が高い。
なら、フラウ達を助けても問題はなかった筈だ。
「別にそこまで気にする必要はないだろ。わざわざあそこで死ぬより、助かった方がよかっただろうし」
「はい。とにかく、ありがとうございました」
再度頭を下げると、フラウはそのまま部屋から出て行く。
そんなフラウの様子に、金髪の少女といつの間にか部屋を覗き込んでいた黒人と日系人らしい2人の少年も、不思議そうにこっちを見てくる。
何故フラウが俺に向けて感謝の言葉を口にしたのか、その理由が分からなかったのだろう。
まぁ、この子供達はあの現場にいなかったしな。
……というか、よくもまぁ、こんな子供達だけでホワイトベースに到着出来たなという思いの方が強い。
ともあれ、そうやって部屋から出て行ったフラウ達を見送ると、俺は早速食事に手を伸ばす。
正直なところ、俺は食事をしなくても全く問題はない。
ないのだが……今の状況でそんな事を言える筈もなく、大人しく料理を口に運ぶ。
どの料理も、決して美味いという訳でないが、それでも不味くもない。
普通の味、というのが一番相応しいだろう。
……もっとも、マブラヴ世界の合成食に比べると比べものにならない程に美味いと言ってもいいのだが。
そんな食事を済ませつつ、ホワイトベースの備蓄食料がなくなったら、俺の空間倉庫にある、サイド7で買い貯めした食料を提供しようと考える。
もっとも、ルナツーを経由して月に向かう程度であれば、今も積み込んでいる食料とかで十分間に合うような気もするが。
「まぁ、避難民の数が増えれば、加速度的に必要となる食料とか増えていくけど」
呟き、そういう意味では月よりも近いルナツーに向かうという選択肢はそこまでおかしくはないのかと、そう思い直す。
もっとも、現在ルナツーで主導権を握っているのは、タカ派だ。
別にルナツーにいる全員がタカ派という訳ではないのだろうが……それでも、勢力としては依然タカ派が強いのは間違いなかった。
そんな場所に避難民を連れて行き、ましてや預けるなどといった事になれば、一体どうなるのか。
それ
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