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獣篇V
48 ドSの上を行くドS
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ら、罰として私の部屋も掃除すること。分かった?…もし私の部屋から脱出しようもんなら、体内がマヨネーズで埋め尽くされるまでマヨネーズを全身に詰めますわ。覚悟はよろしくて?」

ヒッと小さく息を詰める音がして、総悟が珍しく怯えた口調で返事をしている。

_「わ、分かりやした…掃除します。逃げません…約束致しやす。」

よいお返事。

_「じゃあ、ここに署名と捺印を押してもらうわ。そしたら契約成立ね?…じゃあ、まずは副長の部屋にいくわよ?…だって立会人がいないと、あとで水掛け論になっても面倒くさいしね。」

と言って、私は袴の着物の袷から書類を取り出し、行くわよと声をかけた。
逃がしはしないわ。と独り言を言い、腰の刀に手をかけたのが見えていたらしく、ヒッと怯えて、分かりやした、行きますから斬らねェでください。と弱音を吐くのを小耳に挟みながら副長室へ行く。久坂です。失礼します。と襖に声をかけると、入れ、とシンプルな答えが帰ってきた。遠慮なく襖を開けると、副長が膨大なデスクワークを片付けている最中だった。入ってきた私たちを一目みて、お、零杏じゃねェか。と驚きの表情をしていたので、私は答えた。

_「ええ。先程部屋に戻りましたので、帰還のご挨拶をしに参りました。」

じゃ、オレはこのくらいで、とか言う悪タレの声が聞こえたので、言葉は続けながら、目にも止まらぬ瞬間技で腰の刀を抜き、総悟の頸動脈に沿わせて囲った。ヒッという悲鳴が聞こえた気がしたが、気にしないことにした。

_「また、部屋に戻った際に沖田さん?のガラクタがあっちこっちに転がっていたので、ご本人様に責任を取っていただこうと宣誓書を…立会人の元、書いていただこうと思いまして。…副長に立会人をお願いしようと思った次第ですわ。」

おォ、…と若干引いている副長を尻目に、持っていた書類を副長の机の上に置き、、刀で囲っておいた総悟(はんにん)を現行犯ですわ?と隣に並べ、ペンをお出しなさいな、と声をかける。わ、分かりやしたと半ば悲鳴のような声をあげながら刀の位置は頸動脈の真上である。

_「…という次第でさァ。立会人が土方コノヤローなのは気に食わねェですが姐さんご指定なんで、…仕方ねェ。オラァ、腹をくくって書きやす。武士(さむらい)なんで。」

_「なるほどな、そういうことか。」

と副長は呑気に、そしてとても楽しそうに見ていた。

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