48 ドSの上を行くドS
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意識が戻ってくると、点滴と心拍数がピッピッピッと鳴り響く音がした。はつとして目を覚ますと、すぐに激しい鈍痛が襲った。産婆さんの掛け声が聞こえてきた。踏ん張るんだよ、ホラがんばれ!
あともう少しで産まれるよ、頭が見えてるよ。
そう言われ、必死で頑張っていると、汗を拭いてくれる手があった。…そう、晋助である。頑張れ、あと少しで一人目が産まれるぞ。
そう言われ、必死で踏ん張っていると、赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。耳元で、もう一人もあと少しだよ。頑張れ!
と聞こえる。ひどい鈍痛と薄れ行く意識と闘いながら今か今かと待っていると、もう一人目の泣き声が聞こえてきた。
…あれ??意外とすんなり産まれた??
そんなことを考えていると、船医から赤ん坊たちの性別が告げられた。やはり、男の子と女の子の双子だった。両腕に彼らを抱かせてもらった。今は落ち着いて、クリクリの美しい4つの目で、私を見つめている。女の子の方は、キレイな碧色の瞳に美しい銀髪、男の子の方は、紫がかった銀髪に碧翠色の目を持った、とても美しい双子だった。
私が優しく笑いかけると、二人はまるで天使のような美しい笑みを返し、キャッキャと笑った。あまりに美しいので、つい晋助と目を合わせてしまった。晋助も優しく微笑んでいる。よく頑張ったな。と声をかけられた。あれよあれよという間にも私は担架台のような物に赤ん坊たちと一緒に部屋へ運ばれた。
_「新しい家族が増えたなァ。…零杏に似て、えらく可愛い赤ん坊たちだ。」
_「…両親の良いとこ取りしたわね。」
双子は、籠の中に入れられ、私の寝る両隣に寝かせられた。クリクリのお目々でじっと見つめてくる。時折キャッキャ笑うのがかわいくて仕方ない。
彼らの名前は、どう付けようか。
彼らの名字は、高杉か、久坂か。
これは要相談事項である。
_「零杏、今さらだが…オレと結婚してくれ。」
おっとォ…
_「…私でよいのですか?」
_「あァ。今さらになっちまって、すまねェ。だが、これ以上引き伸ばす訳にはいかねェ。…それは分かるだろ?」
今さら?遅くない??
_「…じゃあ、私になにかあっても、責任とってくれるかしら?…旦那様?」
クスクスと笑いが込み上げてくる。
_「…あァ。オレと…高杉晋助と今世を共に生きてくれるか?…死がオレたちを別つまで。」
左手の人差し指と中指を空に立てて、空に誓う。
_「誓います。」
_「汝を妻とし、今日よりいかなる時も共にあることを誓います。」
_「幸せな時も、困難な時も、富める時も、貧しき時も、病める時も、健やかなる時も…」
_死がふたりを分かつまで愛し、慈しみ、貞節を守る
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