第三章 盟約の系譜
Lv65 新たな導き
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な事でもあったのかもしれない。
アーシャさんやサナちゃんは、この突然の申し出に少し困惑した様子であった。
2人は心配そうに、俺とアヴェル王子を交互を見る。
「え……コータローさんを?」
「ですが……コータローさんはまだ……」
フィオナ王女が訊ねる。
「お兄様……もしや、例の件でございますか?」
アヴェル王子は小さく頷く。
「ああ……コータローさんにも是非加わって貰いたいのだ。ヴァロム様にもそう言われている。で、どうでしょう……コータローさん。もしお身体に差支えがないならば、これから我々と共に来ていただきたいのです」
「へ? あ、まぁそれは構いませんが……この服装じゃ不味いですよね?」
俺はそう言って自分の今着ている服に視線を向けた。
なぜなら、今の俺は、チュニックのような白い布の服を着ているだけだからだ。
ある意味、入院患者用の衣服を着ている状態である。
「では、侍女に貴方の衣服を持ってこさせますので、それに着替えて我々に付いてきてください」
「わかりました」
とまぁそんなわけで、俺は目が覚めて早々、アヴェル王子達に連れ出される事になったのである。
[U]
水の羽衣に着替え、魔光の剣や道具類を装備した後、俺はアヴェル王子とウォーレンさんの後に続いた。
2人はレッドカーペットが敷かれた通路を脇目も降らず進んで行く。
それから程なくして、王家の紋章が深く刻まれた厳かな扉の前で、2人は立ち止まったのであった。
アヴェル王子はそこで扉をノックする。
「父上……アヴェルです。遅ればせながら、参上しました。ウォーレンとコータローさんも一緒です」
中から、低い男の声が聞こえてきた。
「……入るがよい」
「では失礼します」
アヴェル王子は扉に手を掛け、ゆっくりと開いた。
それから俺に振り返り、中に入るよう促してきたのである。
「どうぞ、中へ」
俺はそれに従い、扉の向こうへと足を踏み入れた。
そこは豪華な寝室であった。部屋の大きさは30畳程で、結構広い。天井には煌びやかなシャンデリア、壁には絵画や騎士の彫像が並び、床には紺色の絨毯が敷かれている。
部屋の中心には豪華な装飾が施された天蓋付きのベッドがあり、そこを取り囲むように、高貴な衣服に身を包む14名の者達が椅子に腰掛けていた。
その中には俺の知っている人々もいた。ヴァロムさん、ディオンさん、シャールさん、ヴォルケン法院長、ヴァリアス将軍、ソレス殿下である。
他は知らない方々であったが、ソレス殿下がいるところを見ると、多分、イシュマリア八支族の太守達だろう。
また、その他にも、耳の長いラミリアンの美しい女性がいた。この方は恐らく、ラミナス公使の女性に違いない。
そして、それらの方々の中心にある
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