第三章 盟約の系譜
Lv65 新たな導き
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言うまでもない。
アーシャさんは話を続ける。
「あの……申し訳ありませんが、ピュレナのどこで魔物に襲われたのでございますか?」
「そ、それなのですが……実は……ピュレナの神殿敷地内にある沐浴の泉でなのです」
フィオナ王女はそう告げるや否や、頬を赤らめ、恥ずかしそうに両手で顔を覆った。
アーシャさんとサナちゃんは、綺麗にハモリながら驚きの声を上げる。
【も、沐浴の泉で、ですってぇッ!?】
アーシャさんは恐る恐る訊ねる。
「フィオナ様……まさか、お召し物はされて……」
するとフィオナ王女は両手で顔を覆ったまま、恥ずかしそうに頭を振ったのである。
アーシャさんとサナちゃんはその仕草を見るなり、少し固まっていた。
(なんかしらんけど……この展開は……ちょっとやばいかもしれん……)
つーわけで、俺は即座にラティへ視線を送った。
ラティも俺へと視線を向けていた。
俺達はそこで互いに頷きあった。
そして、次の瞬間!
俺はササッとベッドから立ち上がり、ラティと共に窓際へと素早く移動したのである。
この事態から逃げる為、俺達はそこで白々しい会話を始めた。
「しっかし、良い天気だなぁ……今日は朝日が、一段と眩しいよ。なんか知らないけど、清々しい気分だね。素晴らしい朝だ。そう思わないか、ラティ?」
「せやな。つーか、今は昼やけどな」
「はは、そうだったな。それはさておき、長い間寝てたから気持ちいい日差しだよ……」
などと言いつつ、俺は大きく両手を広げて背伸びをする。
そして窓の外を眺めながら、俺は小声で、ラティに指令を送ったのである。
「ラティ隊長……戦況を報告せよ」
「ハッ、コータロー将軍」
ラティは室内をササっと見回し、小声で報告をした。
「コ、コータロー将軍……皆、こっち見ております。しかし……その内、約2名の女性が、射抜くような鋭い目でこちらを見ております。い、如何なさいましょう……」
俺達がそんなやり取りをする中、アーシャさんとサナちゃんの怒気の籠った声が聞こえてきた。
【コータローさん……どういう事なのか、説明していただけますわよね?】
【説明してください、コータローさん】
その直後、シンとした静寂が室内に漂う。
俺にとってそれは、何とも言えない重い空気感であった。
(ど、どうしよう……この展開は考えてなかった。あッ、そ、そうだ! ラティに助け舟を出してもらおう!)
つーわけで、俺はラティにSOSの視線を送った。
だがしかし! なんとラティは、こともあろうか、俺の視線から逃げるように目を背けたのである。
「あ、そういえばワイ、この後、用事があるんやった……ほ、ほな、コータロー、しっかり養生しいや」
ラティはそう告げるや否や、くるりと身体を反
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