三十六枚目
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
「さぁ! やってみるのじゃ!」
目の前には、九重のモフモフの尻尾…。
右手をだして…止める。
触りたい…けど龍の腕じゃダメだ。
傷付けてしまう…!
だから…だから!
「この手が戻らなければ…九重の尻尾を触れない…!」
手が、縮んでいく。
龍の手が、縮んでいく。
刺々しい凹凸が消え、滑らかなシルエットへと変貌する。
やがて、色が変わった。
銀色から、肌色へ。
「や……やった! 変化できた! 人間だ! 人間の腕だ!」
左手も、人間の腕にする。
「く、九重! 本当にさわってもいいか!? 九重のモフモフの尻尾触ってもいいか?」
「勿論じゃ!」
九重の尻尾に、触れる。
ふわふわして、柔らかくて、モフモフだ。
最上級のシルクように滑らかなで、金糸のように輝いている。
「んぅっ…」
「ご、ごめんっ! 痛かったか九重?」
「全然! 篝のさわりかた、優しくて気持ちいいのじゃ!」
「そりゃよかった…」
しばらく九重の尻尾を堪能した後、今度は全身変化をしてみる事にした。
感覚は掴めた。
あとはやるだけだ。
「変化」
肩甲骨が、むずむずする。
翼と尻尾が、縮んだ。
脚も龍の脚じゃなくなった。
首の鱗も肌に沈んだ。
髪は銀のままだが、まぁ、仕方ない。
「やった! やったぞ九重!」
立ち上がり、九重とハイタッチする。
「ん?」
九重の視線がなぜか下へ…………………。
あ。
「ぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
一つだけ言っておく。
俺は悪くねぇ。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ