■■SAO編 主人公:マルバ■■
二人は出会い、そして◆違うよって言わなきゃいけないのに
第二十三話 葵
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なくなった洞窟にこだました。アイリアは叫ぶべき言葉を失い、叫ぼうと開いた口からはなんの言葉も出てこない。
しばらくして、彼女は絶望したように言葉を紡いだ。
「それなら……私はお兄ちゃんに謝るべきじゃなかったっていうの?……私はずっとお兄ちゃんが嫌がることをしていたっていうの?……お兄ちゃんを不幸にしてしまってから、私はずっとお兄ちゃんのために尽くしてきたつもりだったのに……私がしていたことは意味がなかっただけじゃなく、お兄ちゃんを更に追い詰めていたって言うの……?そんなの……あんまりだよ……私は……そんなつもりじゃ……」
アイリアはふらりと立ち上がった。
「謝らなきゃ……お兄ちゃんに……。……あ、でも、それは……またお兄ちゃんを傷つけるだけ、なのか……。……私がお兄ちゃんにできることなんて、謝ることくらいしかないのに……!」
なにもしないうちに、アイリアは地面に再び膝をついてしまった。その唇からは独り言のように言葉の群れがこぼれ落ちる。
「私は……どうすればいいの……?謝ることもできず、許されることのない私は、お兄ちゃんになにができるっていうの……?」
その問いに答えたのはシリカだった。
「……葵さんがここにいられるのはマルバさんのおかげなんでしょう?それなら、することなんてひとつだけです。迷うことなんてないです。……ただ、助けてくれてありがとう、って言えばいいじゃないですか。」
「…………いまさらそんなことを言ったところで、どうしようもないじゃない。私はずっとお兄ちゃんを傷つけ続けていたっていうのに。……私が生きている限りお兄ちゃんが傷つくっていうんなら、いっそあの時助からなければ……!」
風を切る音と共に、シリカの平手がアイリアの頬を捉えた。アイリアは横っ飛びに吹き飛ばされ、HPが一割弱も減少する。シリカのカーソルが一瞬で橙色に染まった。
「そんなこと言わせません!!マルバさんはなんで事故の時葵さんをかばったと思ってるんですか!!葵さんを助けたかったからでしょう!?助けられた葵さんが助けられなかった方がよかったなんて言ったら、マルバさんがしたことは何だったんですか!?マルバさんは自分の命を懸けて一体何を守ったって言うんですか!?マルバさんがやったことは無意味だったって言いたいんですかッ!!」
「……ッ!私は……ッ!!」
「葵さんを助けなければマルバさんは確かに事故で半身不随になんてならずに済んだかもしれません。でも、マルバさんは例え結果的に半身不随にってしまったとしても、嬉しかったはずなんです!!葵さんを助けられて、嬉しかったに違いないんです!!その嬉しさを台無しにしないであげて!!!」
「私はッ……そんなつもりじゃ……!!」
「そんなつもりじゃなかった!?ふざけないでください!!葵さんが謝ることがあるのなら
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