暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第6章:束の間の期間
第189話「見えない脅威」
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いた。
 でも、その裏でお兄ちゃんは大きな代償を支払っていたのだ。
 ……その事に気付けていなかったのが、恥ずかしい。そして、悔しかった。

「……でも、どうして感情なのかな?」

「え……?」

「普通、代償っていうのは生贄みたいなの以外は互換性があるんだよ。分かりやすいので言えば、体を酷使すると、その酷使した部分が痛くなったりね」

 筋肉痛とか、そういうものに近いのだろう。
 確かに、とこよさんの言う通り、互換性はない。

「生贄以外は……」

「……そっか。考えてみれば、そうなるね」

 でもそれは、生贄以外の話。
 つまり、お兄ちゃんは生贄のように、感情を犠牲にしたのだ。
 同じように、私も片腕を犠牲にして大魔法を使っていたからね。
 あれも互換性はないけど、生贄のように片腕を代償としていた。

「でも、それでも感情を犠牲にするなんて……」

「……お兄ちゃん……!」

 心苦しさで、涙が出てくる。
 そんな事になるまで、お兄ちゃんは無茶し続けたんだ。

「とこよさん……!」

「……方法はあるよ。でも、誰が緋雪ちゃんの現界を維持するの?」

「ッ……!」

 “現世に行きたい”。そうとこよさんに言外に伝える。
 でも、その方法は厳しいと言われる。

「……方法は、あるんですね?」

「うん。式姫召喚を使えばいいんだよ。椿ちゃんと葵ちゃんを再召喚していたし、召喚するための環境は整っている。後は、緋雪ちゃんを式姫として召喚すれば終わり」

「……その維持の方法が、ない……」

 式姫を使役するには、霊力の持ち主と契約する必要がある。
 主がいなければ、はぐれの式姫と扱われ、霊力が枯渇すると、幽世に還ってしまう。
 使い魔や守護獣と似たようなものだ。

「でも、召喚自体は出来るんですよね?じゃあ、後は誰かと……」

「こっちから召喚しても意味ないよ。向こうから召喚してもらわないと。……守護者との戦いは、本当に特例だったんだよ」

 聞けば、守護者との戦いでの私は、苦肉の策のようなものだった。
 幽世から現世に幽世側から召喚しているため、霊力の供給も乏しく、さらには長時間現界し続けると、それこそ均衡を崩してしまう。
 だからこその、時間制限だったとの事。

「特に、今は異常事態。普通の召喚すら、無闇に試せないしね……」

「……そう、ですか……」

 結局、無闇に私が現世に行く事は許されないらしい。
 ……まぁ、本来死人の私が行く方法があるだけ、有情なんだけどね……。

「二人共、何やってるんだい!?こっち来て流れ着いてきた奴らの世話をしないと!」

「あ、ごめん!すぐ行くよ!」

「すみません!」

 紫陽さんに怒ら
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ