第一物語・前半-未来会議編-
第十一章 抗いの行く先《1》
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のだから納得がいく。だが、
「何故死なせる必要があるのでしょうか?」
その言葉に、皆は耳を傾けた。
本日二回目、皆さんよく見ますねえ。
手を頬に当てくねくね動き出した美兎を見て、皆少し引いた。
それに気づいた美兎の顔は、赤面真っ赤になった。
紛らわすように咳払いをし、気を取り戻し話しに入る。
「活用するならば普通は死なないですよね? ですが黄森は死ぬ、と言っていました。おかしいですよね、どこに死なせる理由があるのでしょうか?」
「確かにな、だが神人族を殺しではなく消滅させこの世から解放した事例がいくつかある。事実上は解放と言われているが死と同じだ。」
「じゃあ黄森が言っていた消える、て解放つまり死ぬってことですか!?」
「ロロアの言う通りだ。だが黄森が宇天学勢院の長を殺す理由が解らない」
「解らなくても理由はあるんじゃない? 黄森はここ最近辰ノ大花との付き合いが悪いらしいからね。それで逆らったらこうなるぞ、ていう見せしめなんじゃないの?」
「それは宇天学勢院の長を殺そうとしているからではないのか」
「時期的に一致するしね。君は黄森が殺そうと思っているのかい? 奥州四圏の他の三地域を無視して」
「ああ、そうだが」
読んでいる漫画のページを捲り、レヴァーシンクが顔を上げた。
掛けている伊達眼鏡をかけ直しながら、周りを見渡す。
ほとんどの者が頷き、こちらを見ている、
それを確認し、成程と笑みを浮かべる。
「ならその理由を覇王会を代表し、そうだね……、ネフィアにでも説明してもらおうかな」
「え、わ、わかくしがですの!? り、了解しましたわ」
ネフィアは立ち上がり、床を靴で打ちながら、華麗な足運びで教卓に向かう。
先に教卓にいた飛豊に軽く一礼し、その横に着く。
白の髪を揺らし、黄金の瞳を皆に向けた。
「いいですの、辰ノ大花と昔馴染みの付き合いの嗚虎や、中立姿勢を崩さない色宝甲盾はまず殺すわけがありませんわ。殺す可能性があるのだとしたら黄森と繋がっている朱鳥天ですが、案外おとなしめの地域ですので可能性は低いですわね。
以上のことで最も可能性が高いとしたら黄森ですの。神州瑞穂の主戦力、奥州四圏の更に主戦力であるがゆえに、他地域からの反論はあるでしょうが邪魔する者は無いでしょうし」
「――ということだ。解ったかい皆」
「ちょっといいかな」
レヴァーシンクの声に、一人の者が手を挙げた。
一番前の窓際の席に座る、しっかりとした体つきの金髪男子。
グレイだ。
外は雨の音が響き、教室に入ってくる日の光は弱い。
彼は座ったまま話した。
「黄森が殺ることは解ったが、何時行われる?」
「何時かは分からないな、それに関しては黄森の方から報告があるんじゃないかと思っている。何も告げないで行
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