第一物語・前半-未来会議編-
第十一章 抗いの行く先《1》
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はないですよ。それにセーラン君には今、心から好きな人が居ますし」
「宇天学勢院の長だよね」
その言葉に教室内は静まる。
ゲームのBGMが聞こえるが、プレイしてた少年は周囲の空気に流され、ゲーム機の電源を落とす。
静まり返る教室はいつもと違うと感じ、以外と皆心配してたんだと思う。
そのなかでも、マギトは話し続けた。
「ねえ皆はどう思う?」
「どう思う、とは何がだ」
丸金堂の営業用映画面《モニター》を見つめているアストローゼが言った。
彼は父が経営してある店の品物の調達を任せれているのか、品物の個数表に数字を打ち込んでいた。
打つ音が終えると、交代するようにマギトは声を出した。
「皆はセーランの恋人相手に賛成かどうかってこと。だって相手は奥州四圏に属する辰ノ大花だよ、独立宣言した日来と何かと関わりたくないでしょ」
「相手がどう思ってるかは知らんが、私は賛成だ。もし告白が成功したら辰ノ大花の支援を受けることが出来る可能性が大幅アップするのだからな! 価値ある話じゃないか!」
「アッちゃんの理由と同じだから私もさんせーい」
アストローゼの右側に座るニチアが手を挙げ、皆にアピールをする。
だって、と言葉が続く。
「セーランもハッピー、皆もハッピーなんだよ? それに支援という強力なサポートも得られるかもしれないしね」
「だが待て、それは確かに美味しい話だが昨日の映画面から聞こえたら黄森の言葉が気になる」
「宇天学勢院の長が死ぬ、てことだね」
飛豊の言葉に、レヴァーシンクが言葉を付け足す。
漫画を読み進めながらも、周りの様子を気にしていたようだ。
その言葉に飛豊は頷き、声が皆に届くようにと席を立ち教卓へと進む。
教卓に着き、話し始めた。
「告白が成功したら確かにいい方へと進むだろう、しかし黄森の言葉も無視できない。これに関してちょっと気になることがあってな……」
「それは何で御座るか」
「去年の冬の始まりのころに竜神の血族、つまり宇天学勢院の長についての会議が行われたと噂で聞いたことがあってな。黄森の社交院が極秘に持ちかけたことらしい」
「なんでやんのさ」
「それは私には分からない。だが、この会議の内容は」
それは、
「竜神の力を国戦力とし活用するというものだ」
だが、ここで美兎は疑問に思う。
竜神はその名の通り、この世に存在した全ての竜を統べる神だ。
全竜と呼ばれたレヴァイアサンとは別の存在だ。
その竜神との間に子を持ったのが、辰ノ大花を治める委伊達だ。
だから委伊達の家系は、竜神の血を最も強く継いだ者に今後の辰ノ大花を託す。
神の血が流れている者は神人族と呼ばれ、この種族は如何なる理由があっても殺してはならない。
その力を活用するのは、神州瑞穂防衛のためな
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