第三話 剣士とビーター
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その言葉を聞いても誰も驚きはしなかった。俺がカタナスキルを見切った時点で確信していたのだろう。
「それに、そこの女だって…なんで一人で倒せる力があるのにずっと隠れてたんだ!!お前がもっと早く出てきていればディアベルさんは死なずに済んだんだ!!」
怒りの矛先はセイバーにも向かった。セイバーを取り囲んでいた人々は一歩離れており、セイバーに視線を送っている。
「お前だってベータ上がりなんだろ!?ラストアタック狙ってずっと隠れてたんだろ!?」
どうやらセイバーの事をベータ上がりのプレイヤーだと思いこんでるみたいだ。
「貴方は何を言っているのです?私は先ほどマスターに召喚されたばかりなのですが?」
当の本人であるセイバーは何のことかわからないと言わんばかりに質問を返す。
「惚けるなよ!!どうせ俺たちが必死で戦っているのを隠れながら見ていて、ラストアタックを横取りするつもりだったんだろ!?」
「……くどい。さっきから聞いていれば、まるで私が臆病で姑息な人間だと言っているようではないか。私は断じてそのような姑息な真似は使わないし、それに戦うときはいつも正面から切り合う。貴方は私の騎士道を侮辱する気か!!」
「うっ……」
セイバーの咆哮に男は思わず口を紡ぐ。
「と…ともかくや、お前さんらみたいなベータテスターのせいでディアベルはんは死んだんや!!他にもいるんやろ、ベータ上がりのクソ共が!!」
キバオウは騒動の中にも関わらずベータテスターを弾圧しようとしていた。
この状況で非難を続けようとは正直どうなのとは思うが、とはいえこの状況はまずい。
このままではテスター上がり全員が全てのプレイヤー達から非難を浴びることになる。俺一人ならどんな糾弾で儲けて見せる。
だがこのままでは確実に…
その時、俺の脳裏に一つのアイデアが浮かんだ。この方法なら他のテスター達に敵意が向くことはなくなるであろう。
だが、俺自身の身を危険に晒すことになる。
巨大な葛藤が俺の中を揺さぶる。
「おい、お前……」
「あなたね……」
エギルとアスナが何か言おうと口を開く。だが俺はそれを制す。そして
「元テスターだって?…俺をあんな素人連中と一緒にしないでもらいたいな」
「な…なんやて……?」
「いいか、よく思い出せよ。SAOのCBTはとんでもない倍率の抽選だったんだぜ、その中で何人MMOのハイプレイヤーいたと思う?ほとんどはレベリングのやりかたも知らない初心者だったよ。今のあんた等の方がまだマシだな」
俺はなるべく侮蔑極まるような口調で話す。
「――でも、俺はあんな奴らと違う」
プレイヤー達の間を通りながら俺は言葉を紡ぎ続ける。自分の声色をなるべく意識しながら。
その俺の様子にセ
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