暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第269話 ユイの探求心と京都旅行
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る事が出来た。最終日になってしまったのは仕方がないが、それでも会えるという事がこれだけ嬉しいとは正直思ってもなかった。

「旅行か……」

 ALOの世界では色んな所へ行ってた。レイナと一緒に沢山、沢山回った。でも、よくよく考えたら現実世界でここまで遠出をした事は無かった。

「(何考えてるんだオレは。他の皆もいるだろ?)」

 隼人は苦笑い。レイナ1人ではなく、アスナやリズ、シリカ、リーファもいるんだから。勿論そこに不満がある訳はないが。

「(休みの時に……うん。誘ってみようかな。あ、そう……だった)」

 この時、ふと隼人は思い出していた。
 それは、玲奈と約束をした事。


―――あの日。SAO、アインクラッドと言う世界が完全に終わり、崩壊した時。その最後に立ち会った時。


 黄金色に燃える空を一緒に見た時の思い出を語った事。
 いつか、また――あの空に負けない様な空を、一緒に見に行こう、と約束をした。


「……うん。いつ、か……」


 これは、気のゆるみがあったのかもしれない。
 今日、仕事の殆どを終えた事。
 会えないかもしれない、と内心思っていたが、最後の最後で合流する事が出来た、と言う安堵感。
 心安らぐ気持ちと大切な約束を改めて思い出した時の事。

 それらが合わさって、隼人は浮遊感のようなものを感じた。デスクに向き合っている最中に不意に訪れる夢見世界への誘惑。
 会うのは明日である、と言う事実が 隼人から抗う力をゆっくりと吸収して……そして、視界は暗くなった。










―――ここは、何処だろうか。


 身体が宙に浮いてるようなそんな感覚が隼人にはあった。
 真っ暗ではあるが、柔らかく心地よい感覚が全身を包み込む。きっと天国と言うものがあるのなら、こういう場所なんだろう、と頭の何処かで納得できた。

 そして、一瞬……暗闇だった世界が黄金色の空が広がった。
 
 世界が広がる――無限に。

 そんな感覚がした時に、何かが聞こえてきた。



――あなただけを見つめている。この世界の誰よりも。

――心の安らぎは、いつもあなたが傍にいてくれたから。

――さぁ、歩き出そう。何も恐れる事はない。その先で、きっと きっと―――。


『また、会えるから』




 心地よい歌だった。よく知った大好きな歌、そして大好きな人の歌声だったから。
 最後まで聞いていたくて、光を手放したくなくて、隼人は手を伸ばす。光へ、光へ、手を伸ばし続けて……そして、目を開く事が出来た。

「ん………」
「ぁ……っ」

 視界に飛び込んできたのは、見知った人の顔だった。見知った、どころではない。最愛の人
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