暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第269話 ユイの探求心と京都旅行
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の顔。

「あ、れ……? れい、……な?」
「あはは……。ごめんね? 隼人君。起こしちゃった、かな?」

 申し訳なさそうに首を傾ける少女は玲奈だった。
 でも、やや不思議に隼人は思う。歌をうたっていた様な気配は無かったから。夢の内容は珍しく覚えていた。綺麗な歌声の正体は紛れもなく玲奈のものだったから。……が、その疑問は新たな疑問が生まれた為、直ぐに書き換えられる。

「え……、あれ? ……いや、なんでここに……?」

 ただただその疑問だけが頭の中を巡る。意識が覚醒し、この場所がどこなのかを理解した。そして、目の前の人に、玲奈に会うのは、皆に会うのはもう明日にする事を決めた事も思い出した。
 なのに、彼女は目の前にいる。

「うんっ、綺堂さんと会って……ね? 隼人君がすっごく頑張ってて、疲れちゃってるから 労って欲しいーってさ」
「そう、なんだ。(………爺やはもうッ!)」

 もうっ、と隼人は余計なお世話……とまではいかないが、気を聞かせすぎてくれた綺堂に やや頬を膨らます。そんな隼人の心情を察したのだろうか、玲奈はニコッと笑って隼人の頬をつんっ、と突いた。

「隼人君が、皆を招待してくれたこと。……それに今日もすっごく頑張って来てくれたのは凄く嬉しい。とても嬉しいっ。でも、無理しちゃダメだよー。隼人君、座ったまま眠っちゃってるし……。そんなところ初めて見たんだから、びっくりしたんだよ? 背中に抱きついて驚かそーって思ってたんだけど、ね?」

 あははは、と笑う玲奈。そっと、玲奈の頬に隼人は手を触れた。

「悪い。でも、どうしても、皆に―――。玲奈に会いたかったから。本当に驚いたよ。光の中にいて、手を伸ばしたら―――玲奈がいたんだから。ん…… これはまだ、夢の中?」

 嬉しい事を言ってくれる隼人に頬を赤く染めながら、玲奈は ぷにっ、と隼人の頬を摘まんだ。勿論痛くなんかないだろう。

「えへへ。夢じゃない、でしょ?」
「ん……、そう、だな。でも、な。………お返しだ。玲奈」
「え? おかえし? ……っっ!」

 頭を持ち上げて、きょとん、としている玲奈に不意打ち気味のキスをした。
 軽いキス……ではなく少し長めのキス。間違いなく温もりが伝わる様に、感じられる様に。

 暫くキスを続けた後、隼人は離し そして起き上がって玲奈に向き合った。

「………ん。こっちの方が良い、って言ってただろう?」
「あ、あぅ、あぅあぅ……/// は、はやと、くんっ そ、それは抱きしめた時の……で」
「ああ。そうだったかな。……嫌、だった?」
「そそ、そんなことないよっ! ある訳ないじゃん。だって、大好きなんだもんっ! ……んっ!」

 玲奈は恥ずかしさと嬉しさが混じり合い、そして前者の恥ずかしさを誤魔
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