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ドリトル先生と日本の鉄道
第四幕その十

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「凄い情熱を向けている人もいるんだ」
「そうなんだね」
「そうだよ、そしてね」
 それでと言う先生でした。
「この学園でもね」
「鉄道研究会の人達は」
「凄い情熱を向けているんだよ」
 鉄道にというのです。
「何から何まで研究して」
「知識にして」
「写真も撮って模型も造って」
「何か先生みたいですね」
「そちらの知識と情熱は僕以上だよ」
 鉄道に関するそれはというのです。
「本当にね」
「それじゃあ」
「うん、僕もね」
 まさにというのです。
「彼等には負けるよ」
「そうですか」
「彼等の情熱は桁が違うから」
 それだけにというのです。
「僕も負けるよ」
「先生以上ですか」
「そうだよ、しかしね」
「しかし?」
「彼等もやっぱり鉄道博物館に出入りしているのかな」
 ここでこうも考えた先生でした。
「鉄道好きなだけに」
「絶対そうだと思いますよ」
 トミーは先生にすぐに答えました。
「あの人達の趣味を考えますと」
「やっぱりそうだね」
「はい、あそこはです」
 まさにというのです。
「鉄道好きの人達にとっては」
「夢みたいな場所だね」
「ですから」
「彼等もだね」
「あの鉄道博物館には絶対」
「何度もだね」
「通っていると思います。八条学園の学生さんは入館料いらないですしね」
 このことは学園の中にある動物園や水族館等の施設も同じです。学生さんは学ぶものなのでそうした場所を無料で開放しているのです。このことは学園に勤務している人や教師の人達も同じで先生もなのです。
「ですから」
「それでだね」
「何度もあの博物館に行って」
「学んでいるんだね」
「そうしていますよ」
 絶対にというのです。
「行くのも楽しいですし」
「だからこそ」
「先生も何度も行かれてますし」
 かく言う先生ご自身もです。
「それで、ですよ」
「彼等もだね」
「むしろ先生よりも足しげく」
「情熱の為せることだね」
「まさにそうですね、しかし」
「しかし?」
「日本人のその情熱は昔からですか」
 このことには驚いているトミーでした。
「今ではなくて」
「江戸時代からね」
「筋金入りですね」
「凄いものだね」
「そこまでだったとは」
「大名行列を観ることが趣味の人達は」
 先生はトミーにあらためてその人達のことをお話しました。
「江戸城の傍に集まったりしてね」
「観ていたんですね」
「桜田門に入る時とかね」
「大名行列の人達の方も」
「そうだよ、観られていることを意識してね」
「あえてですね」
「観せていたんだよ」
 そうしていたというのです。
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