あの艦隊の提督と白露型
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の日一日、時雨は不機嫌だった。
冷えた空気は峻烈で、先程まで降っていた雪によって大気中のチリも地上に落ちたせいか抜けるような青空が広がる。
元旦から鎮守府の安全祈願祭の打ち合わせに駆り出され、昼前になってやっと解放された提督は初詣とついでに軽く腹ごしらえをしようと社務所から参詣路に向かった。
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「あっ、提督ー! お年玉、じゃなかった参拝して行ってー!」
「提督、明けましておめでとう。今年も僕……たちをよろしく」
「時雨、今自分一人だけよろしくって言ったでしょ」
「提督さんも、いまから初詣っぽい?」
「御神楽の奉納とかしますか?」
「御案内は、五月雨にお任せ下さい!」
「提督、本年も海風型、あ、いえ。白露型をどうぞよろしくお願いします」
「あけまして、おめでとう。一緒に、初詣……ううん、なんでも、ないから」
「提督! 今年も姉貴たちともどもよろしくな! さーて、お年玉の時間だぜ? ン? お賽銭? そんなの後でいいじゃん」
「提督の懐具合は分かってっからさ、“今は”甘酒とお団子でも買ってくれりゃいいさ」
賑やかに、姦しく? 騒がしく? 新年を祝いながら。
提督は今年が誰にとっても良い一年になることを祈るのだった。
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