662部分:最終話 愛の死その十三
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最終話 愛の死その十三
「こうなるしかなかったのだが」
「それでもですか」
「あえてだったのですか」
「そうだ。私はあの方をお救いしたかった」
この希望は皇后と同じだ。そしてだ。
そのことを語ってだ。周囲に対してだ。
こうだ。静かに、彼もそうなって言ったのである。
「ドイツの為以上に。私個人の希望としてそうしたのだが」
「残念なことにですか」
「あの方をお救いできなかったというのですね」
「あの方はあの方がおられるべき世界に入られた」
彼も言うことだった。
「そしてその世界で永遠に生きられるのだ」
「それは天界でしょうか」
「似ているが違う」
そしてだ。そこは何処かというと。
「聖杯の世界だ」
「そこにですか」
「あの方は入られたのですか」
「そうだ。そしてあの世界で生きられるのだ」
こう話してだ。そしてだった。
ビスマルクはあらためてだ。側近達に言ったのだった。
「このことは。わかるな」
「はい、公にせずにですね」
「情報の全てを消去されますね」
「そうする。それでいいな」
「はい、わかりました」
「それでは」
側近達も応えてだ。そのうえでだ。
ビスマルクは一旦溜息を吐き出して。それからだった。
ペンを手に取りだ。また周囲に話した。
「全ては伝説の中に消えた。だが」
「だが?」
「それでは」
「それが現実のものだとは。殆どの者にはわからないことだ」
そうしたものだと話してだった。彼は自分の仕事に取り掛かる。
その顔は普段と変わらない。しかしだった。そのオーラには明らかな寂寥、そして残念に思うものがありだ。そのうえで今はその場にいるのだった。
最終話 完
2011・12・22
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