660部分:最終話 愛の死その十一
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最終話 愛の死その十一
「永遠の玉座に座るのだ」
「永遠の玉座・・・・・・」
「今までよく私に仕えてくれた」
感謝の言葉もだ。彼に告げたのである。
「そしてシシィとビスマルク卿にも伝えて欲しい」
「あの方々にもですか」
「心から感謝している。忘れないと」
このこともだ。伝えて欲しいというのだ。
「あの世界でもだ」
「左様ですか」
「ではだ。私はもう行く」
王がいるべきその世界にだというのだ。
「それではな」
「陛下・・・・・・」
こうしてだった。王は騎士の小舟に乗り。そのうえでだ。
騎士の後ろに立ち白鳥に導かれてそのまま湖の向こうに消えていく。ホルニヒはその王を見送るしかできなかった。
王が戻らないことにだ。ベルク城では騒ぎになった。そしてだ。
ホルンシュタインは蒼白になりだ。周囲に言った。
「まさかと思うが」
「はい、陛下は」
「誰かに」
「すぐに兵を出す、そして城にいる者は誰でもいい」
総動員してだというのだ。
「捜索に出せ、いいな」
「わかりました。それでは」
「すぐに」
「もう夜だ」
見ればそうなっていた。外は暗くなっていた。そしてだ。
彼は兵達も城の者達も総動員してだ。王の捜索に出た。
松明を出してその灯りを頼りにだ。王とグッデンを捜した。そしてまずは。
兵の一人がだ。湖の岸辺で嘆きの声をあげたのである。
「大変です、グッデン博士が」
「無事か!?」
「いえ・・・・・・」
泣きそうな声でだ。ホルンシュタインの言葉に応える。
「残念ですが湖の中で」
「馬鹿な、では」
グッデンの死を悟り。そしてだった。
別の場所からもだ。声がしたのだった。
「陛下がおられました」
「ですが既に」
「・・・・・・・・・」
彼等の声を聞いてだ。ホルンシュタインは呆然となった。そうして。
蒼白となった、自失になった顔でだ。王の場所に来て。
そのうえで王を見てだ。その場に倒れ込んで言うのだった。
「こんなことになるとは・・・・・・」
彼にとっては考えたくもない結果になった。全ては終わった、彼はそう思ったのだ。
だがだ。まだ湖の中に、小舟の中にいるホルニヒはだ。ベルリンの者とだ。
その松明を見てだ。静かに言うのだった。
「あれは陛下への」
「我々が先程見たものは一体」
ベルリンの男は流石にビスマルクが直々につかわした者だ。何とか我を保っていた。流石に顔は蒼白になっているがそれでもだ。
そうしてだ。ホルニヒに言うのだった。
「何だったのでしょうか」
「わかりません。ただ」
「ただ?」
「あの松明達は」
ベルク城から出て王に集る松明達を見て彼は言うのだった。
その夜の中の赤い松明の光、それを見てだった。彼は澄
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