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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第21-1話 新年魔法大会【スピードボード 其の三】
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責める必要無いよ。琴葉ちゃんが居なかったら、あの青藍って人、死んでたかも知れないんだし」

 泣きそうになっている琴葉に、グレースは視線を合わせて笑いかけた。……変態担当が、イケメンして―――

「……ありがと。でも、子供扱いするな」
「あはは、可愛いねぇ! 照れ隠しぃ!? ごっふぁ」
「ううううるさい! 雰囲気ぶち壊しだわ!!」
「……待って、なんで殴ったの…………」

 た時期があった。今は琴葉に脇腹を殴られて、脇腹を抑えながら蹲っている。
 要が一度苦笑を浮かべてから、ポケットを漁る。そして、取り出したのは絆創膏だった。

「ココ、血でてる」

 琴葉の二の腕を指しながら、要は琴葉の腕を持ち上げて、血が出ている箇所に絆創膏を貼る。そして、躊躇いも無くその上にキスをした。

「なっ!」
「よく頑張ったね、琴葉」

 そして、軽く頭を撫でた。琴葉は林檎のように顔を赤くして照れている。
 琴葉、そんな顔も出来るんだな。


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