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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第20-1話 新年魔法大会【スピードボード 其の二】
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!」

 そう言えば、これは魔法の大会。こうやって魔法で戦う事が、本当の戦い方なのだろう。

 勢いに乗った二人は、更にスピードを上げ、五連続カーブへ突っ込んで行く。
 が―――


「っいしょっと!!」


 琴葉はその直前で壁に少しだけボードを乗せ、勢いのまま前に進む。上手く操作魔法を掛けたのか、ボードと琴葉は宙を舞い、カーブを全てショートカットしていく。
 会場がシンと静まり返り、そして一瞬で盛り上がった。
 ……チートだ。普通に跳んだだけでは、いくら直線コースからカーブに入るところと、カーブから出た後の直線コースが、見えるところにあったとしても、絶対に届かない。固定魔法で、ボードを体の一部として、操作魔法で、自分の体を操作すれば、もしかしたら行けるかもしれないが、少なくとも二十メートルはある。……チートだ。

「みっ、水についてないからセーフだぁぁああ!! 琴葉センパイすげぇぇええええ!!!!」

 琴葉が先頭に出ると、後ろに居る看守が、一斉に琴葉に魔法の照準を合わせる。
 次の瞬間には、実に様々な魔法が、琴葉の前に迫っていた。

 が、流石琴葉と言ったところか、無意識の内に水で障壁を作っていたのか、魔法は全て撃ち落とされた。
 その後も、何度も魔法は撃ち込まれるが、全て防ぎきり、琴葉は三周目に入っていた。



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