瞬策
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とは虐殺するだけだな」
そう言ったティオスは時の狭間を通り抜けある場所へとワープした。
「あの子の狙いはアクノロギアね」
天界の泉から地上を見守っているヨザイネ。彼女はティオスの狙いをすぐに理解した。
「アクノロギアを倒せるのは奴らだけ・・・だが、肝心の奴等はどうやって倒すか・・・だな」
共に見ているドラゴンたちもオーガストも全くもって見えない勝ち目を懸命に探している。
「見つけたところで意味ないじゃん。俺たちはもう向こうに声を届けることはできないんだから」
現実的なヴァッサボーネの言葉。それを聞いた彼の姫君はクスリと笑った。
「あら、そんなことないわよ。何ならお話しさせてあげましょうか?」
「へ?」
ヨザイネのその発言に目をぱちくりさせていると、そんなのお構い無しに彼に指を向ける。すると・・・
ポンッ
突如ヴァッサボーネがその場からいなくなった。
「何をした?ヨザイネ」
「フフッ。ちょっとだけまた天界条例を破っちゃった〜♪」
ニヤニヤと笑っているヨザイネは泉に指先を当てると、突如映る景色が別物へと変化する。
「もう時間もない・・・あなたの奇想天外さに今回は賭けることにするわ、ヴァッサボーネ」
「・・・うっ・・・」
ゆっくりと目を開いていく水色の髪をした少年。彼は自分がどこにいるのか体を起こして確認する。
「どこだ?ここ」
彼が目覚めたのは自分では全く身に覚えがない水辺の近く。マグノリアでもフィオーレでも、一度も見たことがない。
「あ!!ティオスは!?」
すぐさま立ち上がり辺りを見渡すが、一向にティオスの姿が見えない。それどころか人の姿がどこにも見当たらない。
「なんだここ・・・一体どこなんだ・・・」
自身の現状が理解できないシリルは唖然としていることしかできない。ただ呆然としている彼の元に、突如光が舞い降りる。
「なるほど・・・よく考えたものだ」
光が晴れるとそこに現れたのは水色の体をした巨大なドラゴン。
「ヴァッサボーネ!!」
父である彼の姿を見たシリルは嬉しそうな顔を浮かべた。だが、冷静さを取り戻すと彼は気になる点を問いかけた。
「なんでここにいるの?」
死んだはずの彼がここにいることが疑問でならない。それを聞いたヴァッサボーネは、一つ息をついてから話し始めた。
「ここは恐らくお前の意識の中だ」
「俺の?」
「そうだ。ヨザイネが俺をお前の中にもう一度送り込んだんだろうな」
死者を元の世界に送り返すには大きな代償が伴う。だが、この方法であればなんとかできると踏んだヨ
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