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永遠の謎
657部分:最終話 愛の死その八
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最終話 愛の死その八

 ホルンシュタインは暗い顔になりだ。グッデンに対して述べたのだった。
「この雨にですか。何故」
「いえ、それはです」
「反対する材料がないと」
「そうです」
 だからだというのだ。
「いいと思いまして」
「しかし」
 ホルンシュタインは曇った顔で窓の外を見た。外には雨が降り続けている。
 その雨を見てだ。グッデンに話すのだった。
「今は兵達もいませんし」
「そうですね。この雨ではとても」
「しかしそれでもですか」
「特に反対する理由もありませんし。それにです」
「ここでお断りすればですか」
「陛下の御気持ちにとってもよくありません」
 王への気遣いはここでも忘れていなかった。
 そしてそれ故にだとだ。彼は言うのだった。
「閉じ篭っていてはこれまでと同じです」
「それはその通りですが」
「だからこそです」
 これは医師としての的確な言葉だった。
「私は今回の散策に同意しました」
「だからこそですか」
「散策、身体を動かすことは健康にいいだけでなく」
「心にもですね」
「気分転換になりますし外の空気にも触れられます」
 だからいいというのだ。
「それに湖や森の傍や中にいることは」
「森林浴にもなりますし」
 いい条件は他にもあった。今回の散策に関して。
「ですからよいかと」
「しかしです」
 ホルンシュタインは不安を拭いきれない。それでだ。
 グッデンに対してだ。窓の外を見つつ述べるのだった。
「この雨ですし兵達も外にいませんし」
「私一人ではいざという時にですか」
「陛下をお慕いする者、誤ってそうしている者がいるかも知れません」
 ホルンシュタインの主観からだ。述べたことだった。
「ですからその際は」
「この雨です。流石にそうした者達がいてもです」
「何ともありませんか」
「はい、いられません」
 雨に負けるというのだ。グッデンは雨を過信していた。
 そしてそのうえでだ。ホルンシュタインに述べるのだった。
「それに陛下に何があろうとも」
「その際は」
「クロロフォルムがあります」
 薬だった。それがあるというのだ。
「出来る限り手荒なことはしたくありませんが」
「それでもですね」
「はい、切り札もありますので」
「だから安心していいというのですか」
「そう判断します」
「そうであればいいのですが」
 まだ不安を隠しきれない。しかしだった。
 ホルンシュタインはグッデンに押し切られる形で頷いたのだった。こうしてだ。
 王の散策はグッデンと二人で行われることとなった。そうしてだ。
 グッデンはホルンシュタインと二人で王の部屋の扉をノックした。そのうえでだ。まずは王の言葉を待った。そしてすぐにだった。王の声が聞こえてきた
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