第一章
[2]次話
新しい妻
天空の神でありオリンポスの神々の長でもあるゼウスはとかく浮気性の神であった、女神だけでなく人間やニンフしかも美少年と見境がないと言ってよかった。
そして彼の妻であり結婚等女性の多くのものを司っているヘラは彼の浮気の都度激怒していたがある日のことだった。
ゼウスが朝起きるとヘラはいなかった、オリンポスの何処を探してもおらず今度はオリンポスの神々だけでなくその従者達にも探させたが。
何処にもいなかった、ここで彼はようやく仰天して言った。
「ヘラはオリンポスを出たのか」
「それはやはりです」
彼に何処までも忠実である智恵と戦いそして技術の女神であるアテナはすぐに父である彼に対して言った。
「父上の浮気のせいかと」
「それはわかる」
ゼウスもすぐにそれは察しがついた、だが。
問題はヘラが何処に行ったかだ、それで彼は今度は兄弟のポセイドンやハーデスにも頼んでだった。
天空も海も冥界もそして地上もだった。
隈なく探させたがだ、何処にもおらず。
彼は遂に原初の神々であるガイアやポントス達にも頼んだが彼等はゼウスに対して呆れた声で言った。
「それはもうだ」
「我等に言っても困る」
「ヘラも探すことに協力出来ない」
「完全にそなたの自業自得ではないか」
彼の度重なる浮気のせいでヘラが出たのなら仕方ないというのだ。
「ヘラもいい加減愛想を尽かしたのだ」
「暫く頭を冷やすのだ」
「そしてその浮気癖をあらためよ」
「そうしてヘラが帰って来るのを待て」
こう言うのだった、しかしゼウスはこのことに納得出来ず。
それでだ、アテナとは別の意味で頭が回る自分の子でもあり商売と伝令そして泥棒の神であるヘルメスに相談した。
すると確かに妙な智恵を出し泥棒の神でもあるが父に対しては忠実である彼はすぐにその智恵を出した。
「父上、ここはこうしましょう」
「ふむ、そうすればか」
「はい、ヘラ様は戻って来られます」
ゼウスの正妻でありオリンポスの女神達の長である彼女はというのだ。そしてゼウスは実際にヘルメスの言う通りにした。
ゼウスば新しい妻を迎えると大々的に世に伝えた、神々だけでなく人やニンフ達にもだ。そのことを宣言したのだ。
そしてその妻を場所に乗せてヴェールを被らせたうえでオリンポスの自らの宮殿に入る様に告げた。するとだった。
その話を隠れた場所で聞いてだ、ヘラは隠れている自分に忠実に従ってくれている従神の女神達に対して尋ねた。
[2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ