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周日清
第四章
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「朕はな。八旗の兵達も悪事を働けば上官や裁判官が裁ける。法でしかと定められている」
「何っ、朕だと!?」
「今この裁判官朕と言ったぞ」
「万歳翁だけが使える言い方だぞ」
「この裁判官それを使ったぞ」
「どういうことだ」
「皆の者、この姿でわかるか」
 傍に控えていた周日清がさっと動いた、そして裁判官が着ていた裁判官の服を一瞬で剥ぎ取るとその下から。
 皇帝のみらびやかな黄色の服と冠が出た、その姿に一同驚愕した。
「万歳翁!」
「その服は間違いない」
「そういえばそのお顔は」
「肖像画にある通り」
「左様、朕が言ったことに偽りがあるか」
 皇帝は自分が突然姿を現わしたことに恐れ慄く兵達に問うた。
「一体」
「そ、それは」
「ありません」
「万歳翁の言われることなら」
「それは」
「そうであるな、八旗のことは既に太祖が決めておられる」
 清を興したヌルハチがというのだ。
「上官や裁判官が定める、それを偽って悪事を働くなぞ言語道断であるぞ」
「も、申し訳ありません」
「この度のことは」
「お主達の処断は上官に任せる」
 こう言うのだった。
「厳しい沙汰、覚悟せよ」
「ははーーーーーっ」
 これまで悪びれていた兵達も恐縮して従うしかなかった、皇帝は悪い兵達も成敗したのであった。
 こうしたことを繰り返し食事も楽しんでだった、皇帝は巡幸を終えて北京に戻った。そのうえで周日清に言った。
「またしても多くの悪を成敗したが」
「それでもですね」
「そうだ、天下には多くの悪がある」
「だからこそ」
「法を確かにしまたしかとした政を行っていくが」
「それで漏らす悪は」
「こうして朕がだ」
 皇帝自らがというのだ。
「成敗してだ」
「正しくしていきますか」
「天は清の主である」
 皇帝だからだというのだ。
「それも務め、悪を正し国も民も安らかにしてこそだ」
「万歳翁であられますね」
「そうだ、だからこれからもな」
「この様にですね」
「悪を成敗していくとしよう」
「わかりました、では」
 周日清は皇帝の毅然とした決意にだ、彼の前に膝を左右の手で明の字を作って応えた。
「私も及ばずながら」
「いや、そなたがいてこそだ」
 皇帝はその彼に笑顔で言葉を返した。
「朕も悪を成敗出来るのだ」
「そう言って頂けますか」
「それではだ」
「では私も」
「共に悪を成敗していこう」
「有り難きお言葉」
 周日清は皇帝に恐縮と感動を以て応えた、そうしてだった。
 皇帝は周日清と共に天下の悪を成敗していった、その結果乾隆帝の時代は中華の歴史に残るまでに繁栄し正義のある時代となった。
 乾隆帝が悪人達を成敗していたという話は伝説である、日本で言うと時代劇の話だ。そして周日清という少年
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