第二章
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「街を乱すならず者、放ってはおけん」
「へっ、この街のお偉いさん達も手出し出来ない俺達をか」
「その俺達をたった二人でどうしようってんだ」
「そのふざけた口二度と言えない様にしてやろうか」
「そうしてやろうか」
ならず者達は口々に言ってだ、そしてだった。
皇帝と周日清を囲んだ、その手にはそれぞれ青龍刀や棒がある。そういったもので二人を本気で殺すつもりだった。
だが皇帝は周日清に涼しい顔で言った。
「ではな」
「はい、これより」
「悪人共を成敗するぞ」
「そうしましょう」
周日清も涼しい顔で応えた、そしてだった。
二人は素手のままでだった、向かってくるならず者達に対して素早い動きで向かい皇帝はまずは一人のみぞおちを蹴り飛ばし動けなくし。
その横にいた者を掴んで投げ飛ばした、そこから別の一人に体当たりを浴びせてからその顎を拳で叩いた。見れば周日清も見事な動きでならず者達を次々に倒していく。
そしてだった、二人はならず者達を叩きのめした。そうしたうえでだった。
皇帝は周日清にこう言った。
「ではな」
「いつも通りですね」
「そうしてくれるか」
「はい、すぐに役人に伝えます」
「その様にな」
皇帝は二人にこう言ってだ、そしてだった。
ならず者達を縛らせた、役人達は倒れ伏し動けなくなっている彼等を見て驚いていた。
「この連中を倒したのか」
「一体誰だ」
「まさかさっきの子供がか?」
「そうしたのか?」
彼等はこう考えた、しかしだった。
ことの真相はわからなかった、だが街のならず者達は確かに捕まった。
皇帝の巡幸一行はさらに進んでいった、そしてある省で私腹を肥やすことに腐心している知事がある飯店でつながっている商人達とつるんでいる時にもだ、皇帝は周日清と共に若い男の身なりで出て来て言った。
「話は聞かせてもらった」
「!?何だこの男は」
「知りませんが」
商人は知事にこう返した。
「全く」
「この店の者ではない様だな」
「はい、どうも」
「この顔見忘れたか」
皇帝はいぶかしむ知事に問うた。
「お主は知っていると思うが」
「!?まさか」
その面長で整った顔を見てだ、知事は気付いた。
「万歳翁!?」
「えっ、万歳翁といいますと」
「そうだ、今この辺りを巡幸されているだ」
知事は商人に話した。
「この清朝の主の方だ」
「あの方ですか」
「間違いない、このお顔は」
「そうだ、そして朕はお主達のことを全て知っている」
皇帝は自分が出て来たことに驚いている彼等にさらに言った。
「そしてだ」
「まさか」
「そのまさかだ、その罪許し難い」
皇帝は知事達に厳しい声で告げた。
「朕自ら裁きを言い渡そう」
「くっ、この者は万歳翁ではない」
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