62部分:第四話 遠くから来たその十五
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「そうです。ワーグナーは一介の音楽家です」
「他国の要人でも王族でもありません」
「それで何故そこまで」
「その様な場所で会われるとは」
「何度も言うがそれだけの者だからだ」
だからだとだ。王は言うのだった。
「ワーグナーはだ」
「ヴィッテルスバッハの主が公に会われるだけとは」
「そこまでとは」
誰もがわかっていなかった。王のその見ているものをだ。王は見ていたのだ。ワーグナーにそれだけのものを見ていることをだ。
それでだった。王はさらに話した。
「では。私は待つ」
「ワーグナー氏が来られるのを」
「それをですか」
「何時までも待つ。来るのは間違いないのだからな」
だからだと言ってだ。彼は待ち続けるのだった。期待に胸を膨らませそのうえでだった。彼が来るその時を待ち続けるのだった。
第四話 完
2010・12・6
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