暁 〜小説投稿サイト〜
永遠の謎
62部分:第四話 遠くから来たその十五
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話

「そうです。ワーグナーは一介の音楽家です」
「他国の要人でも王族でもありません」
「それで何故そこまで」
「その様な場所で会われるとは」
「何度も言うがそれだけの者だからだ」
 だからだとだ。王は言うのだった。
「ワーグナーはだ」
「ヴィッテルスバッハの主が公に会われるだけとは」
「そこまでとは」
 誰もがわかっていなかった。王のその見ているものをだ。王は見ていたのだ。ワーグナーにそれだけのものを見ていることをだ。
 それでだった。王はさらに話した。
「では。私は待つ」
「ワーグナー氏が来られるのを」
「それをですか」
「何時までも待つ。来るのは間違いないのだからな」
 だからだと言ってだ。彼は待ち続けるのだった。期待に胸を膨らませそのうえでだった。彼が来るその時を待ち続けるのだった。


第四話   完


                2010・12・6

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ