611部分:第三十五話 葬送行進曲その十
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だった。王はホルニヒを自分の前から遠ざけたのだった。そしてだ。
一人になった王にだ。誰かがだ。
ワインが入った杯を差し出してきた。その杯を見てだ。
王はその杯を持つ手を見てだ。こう言うのだった。
「卿か」
「彼をそうして遠ざけてですか」
「これ以上の私の為に自分を犠牲にして欲しくない」
王はその目を沈ませて述べた。
「だからだ。ああしてだ」
「御気遣いですね」
「いや、我儘だ」
王は自嘲を含んだ笑みで言う。
「私の我儘だ。最初から最後までな」
「そう仰るこそこそ御気遣いです」
騎士は王が自分の差し出したワインを手に取り飲むのを見てからだ。そのうえでだ。
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