第6章:束の間の期間
第188話「馬鹿らしい」
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少し聞こえ、直後にサーチャーの光の玉が歪む。
そのまま、まるで立体映像のように形を変えた。
『突然の介入、失礼するよ』
『直接行けないけど、ごめんね?』
立体映像へと姿を変えたその魔法は、三人の人物を映していた。
一人は幽世の神である紫陽。もう一人は大門の守護者となったとこよ。
そして最後は、優輝の妹である緋雪が映っていた。
「……サーチャーの中に、通信系の術式が入っていたのか。しかも、これは……」
「霊術の応用も入ってるね……だから幽世を隔てても飛ばせたんだ」
事前に気付く事が出来ていた優輝達は、冷静に術式を分析していた。
魔法と霊術の混合術式による、通信術式。
それによって、幽世から跨いで現世に術式を飛ばしていたのだ。
『さて、疑問に思っているだろうから自己紹介させてもらうよ。あたしの名は瀬笈紫陽。幽世を管理する元人間の神さ』
『私は有城とこよ。幽世の守護者をしているよ。私も元人間になるのかな?』
『ずっと幽世で生きている時点で、妖怪に変質しているよ』
『あ、やっぱり?』
先に前に立っている紫陽ととこよが自己紹介する。
『あのー、私は……』
『あ、ごめん緋雪ちゃん』
『えっと……志導緋雪です。そちらにいる、志導優輝の妹です』
最後に緋雪が名乗り、直後に優輝に視線が集中した。
「……言葉の通り、緋雪は僕の妹です」
「……家族構成を見た限り、妹は既に亡くなっているとありますが……?」
『死んでから幽世に流れ着いたからおかしくはないさね』
優輝が簡潔に答え、冷静さを何とか取り戻した議員の一人が尋ねる。
その質問には優輝ではなく紫陽が代わりに答えた。
「……なぜ、今この場に?大事な会談の最中なのですが……」
『なに、早急に知らせておきたい事情があってね。確かに管理局と日本に住む者達の会談も大事だが、こっちは時間の問題の可能性もあるんだ。割り込ませてもらうよ』
リンディが紫陽に割り込んできた訳を尋ねる。
その質問に対し、紫陽は知らせるべき事情があると答えた。
『まず最初に、今回の件で犠牲となった人間達全員の魂は、幽世側に流れ着いているよ。未だに落ち着きを取り戻せていない者もいるけどね』
「なっ……!?」
「……本当ですか?」
驚く政府側の人間に対し、リンディが冷静に聞き返す。
『当然さ。あたしは神……つまりはここの管理人なのさ。流れ着いた魂を保護するのもあたしの務めって訳だからね』
『えっと……これで……映ってますか?』
紫陽が答え、緋雪が映像を弄って流れ着いた魂達が見えるようにする。
「……確かに、流れ着いたようですね」
『納得してくれ
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