第6章:束の間の期間
第188話「馬鹿らしい」
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てくれたようだ。現世に滞在するのは時間が限られているようだから、幽世から飛ばしていると見ている』」
“幽世から飛ばしている”事についての理由を、優輝はついでに話す。
「『……そっか。あたし達、雪ちゃんに助けられてたんだ……』」
「『幽世にいるという事は、とこよと一緒にいるのよね?』」
「『多分な。しかも、鍛えられていると思う』」
守護者を倒し、大門が閉じられた後、最後に緋雪と会った時。
優輝は緋雪が以前よりも強くなっている事を感じ取っていた。
その事から、幽世で鍛えられていただろうと、優輝は推測した。
「『隠蔽性が上がってるのはそれが理由なんだろうね。あたしの知る雪ちゃんは、割と魔力の操作が雑だったから、見違えたかのようだよ』」
「『……さて、話を戻すのだけど、推測でもいいから緋雪の魔法がここにある理由を聞いてもいいかしら?』」
「『……いや、その必要はなさそうだ。僕らが気づいている事を向こうも見ていたからか、動きを見せるぞ』」
改めて緋雪のサーチャーがあるのか聞く椿。
しかし、優輝はその答えが今から分かるからと答えなかった。
同時に、サーチャーにある隠蔽の術式が破棄される。
「なっ……!?」
「っ……!」
隠蔽されなければ、さすがにクロノ達も気づいた。
他にも、光の玉であるサーチャーに気付く者は多数いた。
「サーチャー!?一体誰が……!?」
「なんだあれは!?一体いつの間に!?」
一瞬にして、その場が騒然となる。
管理局からすれば、サーチャーが仕掛けられていた事に。
他の者からすれば、正体不明の光の玉が突然出現した事に。
それぞれが驚き、何事かと慌ただしくなった。
「……まさか、この流れって……」
「……注目を全部持って行ったな」
その様子を見て、椿が呟く。そして、優輝がその言葉を肯定した。
そう。サーチャーの出現により、ほぼ全ての注目を掻っ攫っていったのだ。
『あー、もう通じているのかい?緋雪』
『あ、はい。声も届いていると思いますよ?』
その時、声が響いた。
その出所は、やはりと言うべきか、サーチャーだった。
『わかった。じゃあ……“静かに”!!』
「「「ッ―――!?」」」
響く大声。その言葉通りに、全員が黙った。
「(言霊……!それも、強力な……!)」
「(こんなの出来るとしたら、本気のかやちゃん……つまり、神に匹敵する存在……!)」
言霊の力に耐えた椿と葵が、その力に戦慄する。
優輝も耐えていたが、聞こえてきた声から相手の正体は看破していた。
『ここをこう弄って……よし!』
別の声が
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