第6章:束の間の期間
第188話「馬鹿らしい」
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ら、何かしら理由があったのだろうと、アリシア達は納得する。
「……しかし、悪手ね」
「……そうですね」
そこへ、鈴と蓮が会話に入って来た。
椿が行った事は、良い前兆ではないと断言しながら。
「悪手……?」
「ええ。あの場で反論するというのは、なかなかの悪手よ。私達陰陽師はまだしも、管理局……だけじゃなく、式姫の立場も不安定になるかもしれないわ」
「……そっか。椿ちゃん、状況を無視して発言したから……」
神の分霊として名乗った椿だが、周囲には管理局側に所属していると見られている。
その状態での、啖呵切り。それは、管理局の立場にも響くものだ。
同時に、他の式姫達の立場にも影響が出る。
「さすがに、彼女の事だからそれは分かっているでしょうけど……」
「……葵さんは、なぜ止めなかったのでしょうか……?」
司達とは違った観点から、なぜ止めなかったのか疑問に思う鈴と蓮。
「……何か、考えがあるんじゃないかな……?」
「司さん、悪いんだけど、その可能性は低いと思うの」
ぽつりと呟かれた言葉を、アリサが否定する。
「蓮さん達が言ったように、椿さんの行動はあの場面では悪手。……あの場ではどうにかなったとしても、その後は分からないわ……」
「……共感できる部分はあるけど、大局的に見れば、場をかき乱したようなものだから……その分を挽回するには、ちょっと……」
アリサ、すずかと続けられたその意見に、ますます不安が募っていく。
「……い、嫌やなぁ、皆してそない不安な事ばかり言わんといてや……」
「……!」
それはなのは達にも聞こえており、はやては冷や汗を掻きながら苦笑い。
なのはとフェイトに至っては、はやての言葉に同意するように何度も頷いていた。
「でも、実際このままだと……」
「……そうね。それこそ、管理局すら被害者に見える程、衝撃的な真実の判明とか、そういう突拍子もない事でも起きない限り、そうなるわよ」
「それ、昨日も言ってたけど、本当に突拍子もない事だね……」
若干間の抜けたような鈴の発言に、アリシアは苦笑いする。
だが、内心ではやはり不安が燻っていた。
「……とりあえず、終わるまでは様子見、だね」
「それしかないよね……」
話の続く会談の映像へと視線を戻し、司達はそう呟くしかなかった。
「―――――」
「……優ちゃん?」
司達が不安になっている頃、会談はようやく先に進んでいた。
椿の言葉……と言うより、言霊が効いたようで、政府側は若干萎縮していた。
そのために、話が滞っていた原因がなくなり
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