第6章:束の間の期間
第188話「馬鹿らしい」
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な展開になるとは予想だにもしていなかったのだ。
「―――ただ安全地帯に避難してた奴が言う事じゃないのよ!実際に被害に遭った人達にそれを言う権利があるのよ!」
「っ、小娘が好き勝手……!」
「私に言わせればあんた達の方が小僧小娘でしかないわよ!」
言い返そうとした瞬間に、椿に被せられる。
実際、椿の方が遥かに年上なのだから仕方がない。
「百歩譲って、管理局を責めるのはまだいいわ!実際、不始末を起こしたのだし、組織として責任が生じるのは当たり前の事だもの。……なのに、何?市民を守ろうとした退魔師や自衛隊、警察までも批難するなんて、どんな神経しているのよ!」
「ッ………!」
既に、全員が椿に気圧されていた。
葵の言う通り、椿は怒りを言葉として繰り出してはいた。
しかし、それでも言霊として力が発揮され、反論を許さなかったのだ。
「……まぁ、ここまで言われて反論したくはなるでしょうね。……でも、神の分霊且つ、式姫になっている私でも、その下で何を企んでいるか……見通せないとでも?」
「ッ、ぁ……!?」
実際に、何人かは企んでいたのだろう。
口を開く前に椿によって釘を刺されたため、一部の議員は言葉を詰まらせた。
「っ……では、貴女は何を求めて発言を?」
「何を?そんなの、さっき言ったばかりでしょう。話を先に進めればいいのよ。これからどうしていくのか、管理局との関係をどうするのか、具体的に決めていけばいいじゃない。変に足踏みしているだけなのよ、あんた達は」
それだけ言って、椿は着席する。
言外に、後はクロノ達に任せたとばかりに言って。
「……うわぁ、思いっきり言っちゃった……」
「度胸あるなぁ……」
一方、会談を生放送で見ていた者達も、椿の啖呵切りに驚いていた。
「……椿、今の言霊使ってたよね?」
「うん。多分、無意識にだと思うけど……」
「向こう側の人、皆萎縮しちゃってるよ……」
アリシア達は、テレビ越しに椿が言霊を使っていた事に気付いていた。
椿の行動に、霊術を扱う面子は皆苦笑いしていた。
「まさか、椿ちゃんがあそこまで怒るなんて……」
「優輝と葵は止めようとしなかったのかな?」
椿があそこまで怒りを見せた事に、優輝と葵が止めなかったのかと、アリシアは少し疑問に思って口に出していた。
「むしろ、葵さんは同じ気持ちだったのかもしれないわ」
「……確かに。いつも椿ちゃんと一緒にいたぐらいだしね」
「優輝の場合、止める理由がなかったから、止めなかった……だったりして」
「今の優輝君なら、十分にありえるなぁ……」
苦笑いしなが
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