第八十五話 護民官その三
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「だからな」
「それで、だね」
「ああ、暗殺とかはしないさ」
「どうしてもだね」
「そいつがド外道なら別にしても」
殺すしかない、そうした輩は別だというのだ。
「けれど普通の奴はどんなに邪魔でもな」
「殺さないんだ」
「ああ、殺すよりは金使うさ」
「そうして買収だね」
「本人が駄目でもな」
それでもというのだ。
「周りをそうしていくさ」
「将を射るなら」
「馬もだよ」
即ち周りをというのだ。
「そうするからな」
「だからだね」
「ああ、そこはな」
まさにと言うのだ。
「金の使い方次第だよ」
「考えてるね、けれど確かに暗殺はね」
淳二もこちらの謀略についてはこう述べた。
「おいらにしてもね」
「嫌いだろ」
「うん、好きじゃないよ」
「それ俺もだからな」
「だからだね」
「そこまでしないさ、ただな」
ここでだ、久志はその目を鋭くさせてこうも言った。
「相手がド屑だったらな」
「容赦しないで」
「それこそどんな殺し方してもな」
それこそというのだ。
「何も思わないがな」
「そこ君らしいね」
「そうだろ、屑は殺そうが何しようがな」
「何も思わなくて」
「平然と出来るな」
「そこは君は変わらないね」
「笑って自分より弱い相手いたぶったり出来る奴はな」
久志はこれ以上はない嫌悪を込めて込めた。
「生きてても碌なことしないんだ」
「だからだね」
「何をしてもというかな」
「殺してこそだね」
「世の中平和になるからな」
こう考えているからなのだ。
「だからな」
「殺すね」
「ああ、そうした奴が選挙に出て来たらな」
「いるからね、そんな奴」
「若し俺が選挙に負けるぜ」
選挙もまた勝ち負けが必ず存在している、だから久志もこう言うのだ。
「そうした奴がローマの権力握ったらどうなる」
「言うまでもないね」
「それこそ暴君が支配する世界だよ」
ローマがそうなってしまうというのだ。
「最悪エリザベート=バートリーなりジル=ド=レイだよ」
「虐殺者の天下だね」
「そうなっちまうだろ」
どちらも悪名高き虐殺者だ、二人共その相手を徹底的に残虐に殺すことに至上の喜びを見出していたという。その為吸血鬼とも言われている。
「だからな」
「それで、だね」
「そうした奴だってわかったらな」
「消すね」
「ああ、報いを与えてやるさ」
こう言うのだった。
「その時はな」
「そこは君は変わらないね」
淳二も納得して頷くことだった。
「本当に」
「変えるつもりもないさ」
「じゃあそうした連中には暗殺を仕掛けるけれど」
「基本はな」
「そこまではしないで」
「やっていくぜ」
主に金を使ってとだ、こう話してだった。
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