第五章
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「何処だがや」
「博士ですか」
「そうだがや、知らないだがや」
「博士でしたら」
市民が指差した策にだった、ジュゼッペがいた。坂口と室生は茫然となってロボットを観ている彼のところに来て事情を問うた。
「これはどういうことだがや」
「何故ロボットが動いている」
「中に誰か入っているだがや」
「中から操縦しないと動かせない筈だが」
「はい、中には誰も乗っていないんですよ」
ジュゼッペは二人にロボットを指差しつつ答えた、見ればロボットの背中が開いているがそのコクピットの中は。
誰もいない、それで彼は言うのだった。
「御覧の通りです」
「おい、操縦席は空っぽだぎゃ」
「それでは動かせない筈なんですよ」
こう坂口に答えた、それも狼狽しきった声で。
「倉庫は誰かが外から開けて」
「そうしてだぎゃ」
「魔法にも万全にしていたのに」
それでもというのだ。
「ああして勝手に動いているんですよ」
「何者の仕業だ」
室生もこの事態には状況を把握出来ず眉を顰めさせた。
「一体」
「術だがや?何かの」
「そうかも知れないがな」
「ううむ、わからないだがや。しかしだぎゃ」
「あのロボットをこのまま放置は出来ない」
「そうだがや」
「ではだな」
室生は坂口に問い返した。
「今からだな」
「すぐに何とかするだがや」
勝手に動くロボットをというのだ。
「そうするだがや」
「そうすべきだ、さもないとだ」
「今は勝手に動き回っているだけだぎゃが」
それで市民達が逃げ惑っている、だが若し街の家や建物を破壊したり人を狙えばどうなるか。言うまでもなかった。
「ではだぎゃ」
「これから止めるか」
「そうするか」
「あの、魔法ですが」
ここでジュゼッペは二人が動きを止める術を使おうとしたところで話した。
「実はです」
「全く効かないぎゃか」
「はい、あのロボットには耐魔の効果を最大限に入れまして」
「そうしたぎゃ」
「魔法で操られたりすることを恐れて」
それが為にというのだ。
「あらゆる術を無効化する様にしています」
「そうした処置を施したぎゃ」
「左様です」
「そうだぎゃ」
「しかもあのロボットは非常に高価だな」
室生はここでこのことを指摘した。
「多くの開発費と製造費をかけていると言った」
「それは今は」
「関係ないと言うか」
「確かに私はあのロボットにかなりの予算をつぎ込んでいますが」
「街の方が大事か」
「街と市民の人達に被害が出るよりは」
それよりはとだ、ジュゼッペは室生に誠実な声で答えた。
「それならば」
「そうか、だがな」
「貴方達はですか」
「何とかしてみる。出来るだけ壊さずにだ」
そのうえでというのだ。
「あのロボットを止め
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