第四章
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「私もといいますか」
「おみゃあさんが最もだがや」
「わかっていますので」
だからだというのだ。
「かなり守っています」
「そうだがや、では」
「はい、ご安心を」
「それにしてもだ」
室生は今も激しくぶつかり合うロボット達を見て坂口に言った。
「これだけのものを造るとは」
「見事だぎゃ」
全くとだ、こう言ったのだった。
「見れば見る程思うだぎゃ」
「そうだな、軍にもこうしたものはあるが」
「負けていないぎゃ」
「あっ、私は軍隊には関心がないので」
ジュゼッペは二人にあっさりとした口調で答えた。
「ですから」
「そちらはいいか」
「軍には出さないぎゃ」
「今の太平洋は無理強いはしないといいますし」
綾乃が棟梁である今の太平洋の政府はというのだ。
「前の中南米の政府もそうでしたが」
「アレンカールだぎゃな」
「はい、あの方もそこは寛容といいますか」
「軍で無理にとはしないだがや」
全く、というのだ。
「だからだぎゃな」
「私も軍とは関係なくです」
「ここで開発、製造をしているだぎゃ」
「そうです、では機会があれば」
「乗らせてもらうだがや」
「いつも盛況ですがお祭りの時はこれ程でもないので」
客は多くないというのだ、普段は。
「またいらして下さい」
「そうさせてもらうだがや」
坂口はじゅぜっぺに笑って言葉を返した、そしてだった。
室生と共に祭りを観て回って楽しみ夕食もメキシコ料理だった、そうして夜は飲まずにシャワーを浴びてから寝ようとしたが。
不意に街が騒がしくなった、坂口はベッドの中から同じ部屋で寝ている室生に対してどうかという声で尋ねた。
「祭りは夜もやるだがや?」
「いや、この祭りは夜は二日目以降だ」
「そうだぎゃな」
「今日は初日だ」
室生はこの事実を指摘した。
「だから夜はない筈だが」
「じゃあこの騒ぎは何だぎゃ」
「わからない、だがおかしな騒ぎならな」
「止めるべきだがや」
「祭りの後で飲んで騒いで喧嘩から暴動になる」
「よくある話だぎゃ」
「だからだ」
それでと言うのだった。
「これからだぎゃ」
「行くか」
「そうしないと駄目だがや」
坂口はすぐにベッドを出た、そして寝間着の着物から一瞬で具足姿になった。それは室生も同じで。
二人ですぐに転移の術で騒ぎのある方に行った、するとだった。
そこで一体のロボットが動いていた、坂口はそのロボットが無造作に動き回っているのを観て眉を顰めさせた。
「中に誰か乗っているぎゃ」
「そうかもな、だが」
「ああ、ジュゼッペさんが言ってたぎゃ」
「敬語は厳重だとな」
「その筈だがや」
「ジュゼッペさんに状況を聞きたいが」
室生は眉を顰めさせたまま述べた。
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