急報、そして出撃
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のCICを載せた艦はこの鎮守府にも存在しているし、常日頃から整備班の整備を受けていつでも出撃させられる状態にある。しかも、悪ノリ大好きな妖精さんと明石、夕張等の『ヤバイ面子』が好き勝手に弄くり回したトンデモ艦があるのだ……ドックの奥底で埃を被っているが。今回はそれを引っ張り出してでも現場に出向くと言っているのだ。
『darling……本気?』
「たりめーだ。大体、お前らと通信しようにも鎮守府の設備は使えねぇんだぞ?そしたら俺が艦で指揮執るしかあるめぇよ」
言われて見れば尤もな話ではあるのだが、馴れない事をすると大失態に繋がったりするのだ。金剛はそれを危惧していた。
『Oh……止めても無駄っぽいネー。なら、艦の護衛にサラとジャービスを忘れずに加えてくだサーイ』
「その心は?」
『……darlingに、少しでも幸運があるようにってネ?』
冗談めかして言っているが、あれでも経験豊富な艦娘だ。何かしらの意図が込められている。なら、それを聞くのは野暮ってモンさ。
「解った、そうしよう。向かってもらう海域だが……」
金剛に口頭で出撃海域を伝え、準備を急がせる。受話器を置いたら、今度は俺の支度だ。
「大淀、お前は工廠に行って指揮艦の出港準備をするように明石に伝えろ。利根は俺の側に付いてろ、伝令をやってもらう」
「了解です!」
「うむ、任された」
大淀はバタバタと駆け出して行く。思えば、執務室が就業時間中に無人になった事などこれまでにあっただろうか?昼飯時などに一時的に空になる事はあっても、誰かしらは居たハズであろう執務室が、初めて無人になる。逆に言えば、たった1隻の深海棲艦にそこまで追い詰められてしまったという事だ。
「やれやれ、笑えねぇ……笑えねぇよ全く」
「どうしたのじゃ提督?苦笑いなぞしおってからに」
「……なんでもねぇよ」
ガチャリ、と執務室のドアに鍵を掛ける。帰って来る時は奴の首を持ち帰る時だ。
「さぁて、落とし前をつけに行くとするかーー!」
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