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永遠の謎
584部分:第三十四話 夜と霧とその七
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第三十四話 夜と霧とその七

 昼の空と湖の青を見る。そして遠くの山の青もだ。
 森の緑、それに雲や山の頂上の白もある。その二色が余計に青を映えさせている。その二色も見てだ。そのうえで青を見て言うのだった。
「本来はこうして昼の青をです」
「御覧になられたかったのですか」
「昼。そこに企みと醜さがある故に」
 まさにそれ故にだった。
「私は夜の世界に入りました」
「しかし今はですね」
「貴女と共にいると昼も心地よいものです」
 皇后を見て話した言葉だった。
 この世で最も美しいとも言っていいその美貌を見てだ。王は話していく。
「お美しいだけでなく」
「それだけではなくですか」
「私を理解してくれる貴女が共にいてくれると」
「私にはわかるのです」
 皇后は率直にだ。王に対して述べた。
「貴方の御考え。そして悩みが」
「そうしたものもですか」
「わかります」 
 まさにそうだというのだ。
「そう、心の奥底から」
「理解して頂けます」
「それができる人は少ないでしょう」
 皇后は王のその絵画の如き美貌の顔を見ていた。その顔は何処までも美しい。その見事な美貌を見つつだ。皇后も話をしていくのだった。
「今は」
「今はですか」
「はい、今現在貴方を理解できる人は少ないです」
 だがそれでもだというのだ。
「しかしそれでもです」
「やがてはですか」
「その目で見ているとその目に頼ってしまいます」
「目、目というものは」
「何もかもを過度に見せてしまいますね」
「はい、人を過信させます」
 目についてはそうだとだ。王も話す。
 王は見られそうして言われ囁かれてきた。だから言えることだった。
 そのことをだ。心の傷と共に皇后に述べていく。
「誤解や偏見を生み出してしまいます」
「そうですね。しかしその目で見ずにです」
「伝え聞き。考えればですか」
「より多くのことを正しく理解できます」
「そういうものですね」
「貴方の場合は特にです」
 王はだというのだ。その夜に逃れた王は。
「現在ではなく未来に理解されるのでしょう」
「過去の私を見てですか」
「ですから。悲嘆にくれられることもありません」
「そうであればいいのですが」
「ですから。今は」
 皇后は話を変えてきた。まるでパルジファルがモンサルヴァートに入る様に。別の世界に入る様にだ。その話を変えてきたのである。
「貴方の為されるべきことを為されることです」
「ワーグナーやフランスを愛してですか」
「その芸術をこの世に映し出されてはどうでしょうか」
「築城でそうしている様に」
「そうです。そうあるべきだと私は思います」
「貴女だからこそそう言って頂けますね」
 王は微笑みだ。王を理解してくれている皇后の言葉を
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